現場入りしてからずっと浅草神社の皆さんはとても協力的で、良好な関係だったのだが、ここ数日でお宮との距離感が、ぐっと近づいたのを感じることができるうれしい出来事がいくつか起きた。
まずは、神主の池田さんが、お休みの日にプライベートで網を編みに来てくれ、夜には鷲神社ではじまった酉の市(おかめや招福の縁起物を飾った「縁起熊手」を売る露店が立ち並び、商売繁盛を祈願するお祭り)に誘ってくれ、一緒に時間を過ごし、酒を酌み交わし、そらあみの話や神社の話、浅草の話や三社祭の話、そしてプライベートな話まで、袴を脱いだ私服の時間を一緒に過ごしてくれた。
個人としてそらあみに参加してくれ、個人同士の関係として一緒にお祭りに行ってくれたということが、何より嬉しく、関係性の変化を実感することができた出来事だった。
それともう1つ。浅草では「職業体験」という地元中学の生徒の体験学習が行われており、浅草神社にも4人の女子生徒が職業体験にやってきていた。4人の生徒は巫女さんの格好をしてお宮の様々な仕事を体験していたのだが(最初見たときは新人巫女だと思い込んだ)、なんとその体験の1つとして“そらあみ”に参加するということとなった。もちろん大歓迎し、体験してもらった。
この事実は、お宮の方が“そらあみ”のコンセプトであり、実施している日々の様子を見て、浅草神社として、地元中学生に体験させてもよいと判断したのだと受け止めることができる。浅草神社でやっている一事業として認めてもらえたのだと実感できる出来事だった。
これらの“参加”や“紹介”といった出来事には当人の意志が必要不可欠である。なので、お宮との関係に段階があるとしたら、ひとつの段階を越えたことを示す象徴的な出来事と言える。
最終日である11月11日以降、一週間ほどそのまま展示してもよいという許可を浅草神社からいただいていたのだが、最近、お宮の方から出た話で、11月の終わりまで、もしかしたら設置しておけるかもしれないという可能性が出てきた。是非、そのように実現したい。
プロジェクトを展開する上で、場を提供してくださっている方との関係性は非常に重要である。最終日まで残り4日。感謝の気持を忘れずに最後までやりきりたいと思う。
大きな水たまりができていたので、神楽殿側で編みました
お寺がバックの風景となると、そらあみは空(くう)の概念を可視化しているかのようである
夜間照明での作業風景もすっかり定番となりました。