なくなって残るもの

今日は、「そらあみ」の撤去作業を行った。朝8時、約束した時間に西の浜へ。相変わらず漁師さん達は集合が早く、付いた時には作業がはじまっていた。

 

支柱から網を外して、運搬の都合もあるので2パーツに分けて、小さく巻いてまとめた。作業をしていると、まだ展示していると見越した、明らかに芸術祭目的の人が何人も浜に見に来ていた。

 

一時すると施工会社のクレーン付きのトラックが登場し、支柱を端から抜いていった。天気も良かったので全てが順調に進み、午前中には「そらあみ」のあった風景はいつもの西の浜へともどっていた。

 

確かに元の風景にもどったのだが、一ヶ月間そこにあったものがなくなってしまったので、なんだか不思議な感覚になった。

 

いつもと同じなのに、確実にいつもと違う。今までの風景にもどっただけなのに、確実にその見え方が、感じ方が変わっている。その変化は、一緒に網を編み、そらあみ越しの風景を一ヶ月眺め、これまでもこれからも、この島で日常を生きる人たちが一番感じるに違いない。

 

日常から非日常へ、そして再び日常へ。

 

この風景から島の人は何を想うのだろうか。

 

網はなくなったが、そこには、これまでの関係性と少しだけ変わった、海と空の見え方と、人のつながりが残っていた。

2つに分けて、小さくまとめる。さすが漁師である。網のかたづけもお手の物。頼りになります。

支柱もあっという間に撤去完了

少しだけ、でも確実に変わった、海と空の見え方と、人の関係性。