今年もまた“くすかき”の季節ですな

くすかき11日目。朝のくすかきは1人と少なく、夕方のくすかきは12人の方が参加してくれた。参加人数に関係なく、朝も夕方も同じくらいに、今日はかなりの落葉があり、掻きごたえのある一日となった。日中は鬼すべ堂へ行き、樟脳づくりを行った。

 

鬼すべ堂へ上がる途中、歩きながらすれ違ったおじさんに挨拶を交わす。

 

五十嵐「おはようございます!」

おじさん「今年もまた“くすかき”の季節ですな(笑顔)」

五十嵐「はい!頑張ります!」

 

見たことのないおじさんだったので、正直びっくりした。でも、自分のことも、くすかきのことも、ちゃんと知ってくれているのである。こんな風に、直接的に参加はしないが、少し離れた場所から見ていて、毎年ちゃんと季節と一緒に“くすかき”を感じてくれている人がいることを知り、テンションが上がった。ちゃんと地元に広がっていると実感できる出来事だった。

 

朝のくすかきと夕方のくすかき、1日に2回樟の杜を見上げる機会がある。今日2回の樟の杜を見上げて気がついたことがあった。朝と夕方とで樟の杜を見上げた時の葉っぱの色と見え方が違うのである。その理由は、朝付いていた葉が、夕方までに大量に落ちたからである。

 

今日までも、ほぼ毎日見てきたが、今日は特にその変化が大きかった。

 

朝見上げる樟の杜の色は、夕方はもう違っている。夕方見上げた樟の杜の色は、明日はもう違う。

 

「今日見上げた樟の杜の色を覚えて、また、くすかきに来てみてください。その変化を楽しめると思います」そう、みんなに伝えて今日のくすかきを終えた。

 

毎日の朝夕という定点観測で見える樟の杜の色の変化。毎年の出来事という定点観測で見える地域への広がり。太宰府天満宮という土地で、この時期に起きる樟の木の変化と一緒に、地域の中で「くすかき」という言葉であり、行為が浸透してきている。

 

知らないおじさんからの「今年もまた“くすかき”の季節ですな」これは本当に嬉しかった。

朝はこれくらい落ちてきています。

見上げた樟の杜の色は刻一刻と変化している

朝掻いて、夕方までにまた、こんなに落ちてきています。