初物

太宰府滞在17日目。くすかき3日目。寒さが戻ったせいで、落葉はすっかり止まっている。

 

朝6時半、早朝のくすかきへ。境内にはなんと昨日の3名にプラス2名で5人の方が集まってくださった。地元の方の声がけのおかげである。出勤前の早朝のくすかき、このまま広がりを期待したい。目指せ春のラジオ体操である。別れ際の挨拶は「いってらっしゃーい!」でした(笑)。

 

8時半の朝拝から朝のくすかき。今日の参加者は1名と少なめ。やはりこの時間は集まれる人が少ないようだ。平日の8時半に集まれる人は冷静に考えても多くはない。その1名の方は、くすかき初参加で、朝日新聞のイベント情報コーナーを見て興味を持ってやって来てくれた長崎県出身の太宰府市役所近辺在住の掃除が苦手な主婦の方である。掃除が苦手というのはご自分で話されていた。「部屋の掃除を1時間やっても、どこがきれいになったのか分からない」と、笑いながら話をされていた。今後も積極的に参加予定とのことだったので乞うご期待である。

 

朝のくすかきを終え、10時頃鬼すべ堂へ移動。昨日のくすのこうたきにて、樟の葉っぱを水蒸気蒸留し抽出した樟脳がどれくらいとれているか、回収に行った。

 

水蒸気蒸留は昨日したのだが、一晩寝かして十分に冷却し翌日回収するので、採れてるかどうかの確認は今日になる。樟脳は毎年、たくさん採れたり全然採れなかったり、蓋を空けてみるまで分からない。今日は回収初日。今年の水蒸気蒸留装置の出来を確認する意味合いもある。

 

さてさてどんなものか、、、。緊張しながら蓋を空けると、冷却装置(ドラム缶)内壁にびっしりと白い結晶が!やった!やった!これは回収率がいい。120ℓの袋2つ分の樟の葉からマグカップ一杯分ほどの樟脳を回収することができた。例年の1.5倍といった感じである。香りも柔らかく、申し分ない。なんだかワインづくりでもしているような言葉である。土地の特徴を表したその年々の香りという意味ではよく似ているのかもしれない。しかしながら、年ごとの樟の葉の樟脳の香りの違いを楽しめる人はほぼいないのだが、、、(笑)。

 

16時からは夕方のくすかき。去年からのメンバーを中心に昨日も参加してくれた方々が集まってくれた。16時半頃、自転車やスケボーに乗った地元の小学生が登場。地元太宰府小の小学生たちである。話を聞くと、今朝の早朝のくすかきに来てくれた2人の方の子ども達であった。

 

地元の登場で、さっきまでと空気感が少し変わった。違う小学校同士がたまたま駄菓子屋で遭遇した時のような、あの感じの空気感である。でもこれはいい流れである。くすかきだけで会える同世代の人がいるというのはすごく面白いことだし、世界を広げるきっかけになるはずである。とはいえ緊張するのもよく分かる。地元はもちろん通い慣れた場所、自らの庭に戻ったように堂々としたものである。それまでマイペースで楽しく“くすかき”をしていた少し離れた場所から来てくださっている方々は子どもたちを含め、くすかきの先輩でもある。自然にお手本となってもらいたい。

 

お家にチラシを貼ってねと話をすると、「じゃあ、学校の各学年に貼ろうよ!私は3年と5年貼る」「じゃあ僕は2年」「6年いいよ」「おまえが1年ね」「4年は、、、じゃあ僕がもってく」といった具合に、くすかきポスター型チラシはおそらく明日中に太宰府小学校の各学年に掲示される。これからどんな展開になるのか、こっちも乞うご期待である。

 

白く結晶化して盛り上がっているのが、今年の樟の葉から抽出した樟脳の初物です。

 

内壁にびっしり。1年の記憶を宿した葉っぱから抽出する樟脳は、1年の記憶の結晶とも言える。

 

寒が戻って、一度落葉は止まって、パラパラとしか落ちてきませんでした。

 

昨日から引き続きの参加です。マイペースでくすかき中。お兄ちゃんは天拝小。少し離れている。

 

地元太宰府小の小学生たち登場。また来るねー。とのことでした。