氷見漁協青年部、先生との再会

そらあみ16日目。今日は20人で編んだ。

 

そして今日は、氷見漁協青年部の皆さんが編みに来てくれた。氷見入りして間もなく氷見漁協にご挨拶に伺い、どこかのタイミングで若手の漁師さんにも参加していただけたら嬉しいです。と、氷見漁協で青年部の取りまとめをされている穴倉さんに相談させてもらっていた。

 

昨日、「明日なら5人くらい一緒にいけると思う」と穴倉さんから電話をもらい、どんな方達が来てくれるのか、少しドキドキしながら待っていた。氷見漁協青年部は45才以下の約120人で構成される組織。氷見に大中小様々ある網組合の若手の方たちだ。今日はその中から5人の方が来てくれた。皆20〜30歳代の若者である。もちろん皆さんは今朝も早朝3時半頃に出港し漁に出ている。今朝はイワシが山ほど獲れたそうだ。お仕事が終わってお疲れの中、わざわざ足を運んでくれて、声がけしてくれた穴倉さんをはじめ本当に感謝している。

 

挨拶をし、簡単に《そらあみ》の説明をし、早速編んでもらった。必要な長さまで編み終わったものが多くなったので、若手漁師の皆さんには反物状になった隣どうしの網をつないでいってもらった。

 

若手漁師「こうこうにつながっておったらええんよね?」

五十嵐「はい」

若手漁師「人によって習った人がちがうがで、やり方もちいとちがうが、いいが?」

五十嵐「はい。網の目になるようにつないでもらえたら問題ないです。よろしくお願いします。」

 

一日の仕事を終えて、ビールを4杯ほど飲んできたという方は「おれはトーク担当ね(笑)」と言いながら、編みはじめてくれた。他の方は編み方の確認だけして、あとは黙々と編んでくれた。

 

途中「うちら時給2000円するから高いよ(笑)」「大学生の女の子おるって聞いて来たんやけど、だまされた(笑)」などなど冗談も出ながら、それでもやはり手元は上手で鮮やかにつないでいってくれた。

 

《そらあみ》常連のおじちゃん達も、若手漁師の編み姿を見ながら「やっぱ本職は違うのう。みごとなもんや」と関心。

 

すると1人の若手漁師が「あれ?番匠先生おるやん。あん人にお願いしとったら、うちら必要ないよ」。

 

え!?先生?まさか?………。その、まさかだった。「そらあみ-氷見-」に参加してくれている常連さんの1人である番匠さんは元有磯高校漁業科の先生。42年高校に勤めた。当然たくさんの教え子が漁師として氷見で仕事をしており、今日来てくれた若手漁師さんも番匠さんに教わった元生徒だったのだ!

 

番匠さん「おまえらちゃんと編めよな。頼んだぞ」

若手漁師「番匠先生〜。俺が生徒だった時、網の編み方なんて授業あったっけ?」

番匠さん「あったに決まっとるやろ。実習が雨だった日は網を編んどったはずや」

若手漁師「覚えとらんな〜。遊んどったかな(笑)」

 

後で、番匠さんに聞いたら、久々の再会だったそうだ。偶然であり、必然の再会。「そらあみ-氷見-」によって、また1つ物語のつづきが編まれました。

 

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若手の漁師さんがいる空間はやはり活気が生まれる。

 

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流石は本業。仕事が早く美しい。

 

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先生と生徒。教わっていたのは20年前。

「あいつもお前と同じ網組か?元気にしとるか?」そんな会話が聞こえた。