おみくじの色も樟若葉

太宰府16日目。くすかき8日目。快晴。6時半からの朝のくすかき。10時〜15時のくすのこうたき。16時からの夕方のくすかき。今日は土曜日なので、1日まるまるくすかきDAYだった。

 

朝8時半。御本殿へ朝拝に行くと、おみくじの色が目に止まった。薄い若葉色をしている。近づいて眺めていると、管理員の田村さんが話しかけてきてくれた。

 

五十嵐「この薄い緑色したおみくじって、樟若葉の色なんですかね?」

田村さん「そう。季節ごとに色が変わるとよ。」

五十嵐「きれいなものですね」

田村さん「ちょっと、ほら、これよく見てみて、色が微妙に違うっちゃんね」

五十嵐「ほんとですね。ちょっと緑が薄いのと、濃いのと、ありますね」

田村さん「おみくじのつくっているところが違うのか、よう分からんけど、ほら、実際の樟の葉っぱも、薄いとことか、濃い所とかあるもんね(樟の木を指差し眺める)」

五十嵐「ほんとですね」

 

おみくじの色を季節ごとに楽しむ太宰府天満宮もすごいが、微妙なおみくじの色の違いに気が付き、そこから実際の樟の葉を観察して共通点を見つけだす田村さんもすごい。四季の移り変わりや、色の変化など、本当によくまわりの微細な変化を、自然に感じているのだ。

 

確かに自分も、くすかきの時期は、植物の微細な変化に意識を自然とはたらかせていることに気が付く。春という季節が特に分かりやすくその変化を楽しませてくれる。

 

毎年、太宰府入りする3月末は梅が終わり、桜が満開となる。桜が散る頃には樟の葉がどんどん落ちてくるようになり、梅の木は小さな葉を出しはじめ、追いかけるように桜も葉桜となる。やがてタケノコが出はじめ、樟の木が葉とともに枝を落とすようになり、次にツツジ、フジと咲きはじめる。その頃になると、樟の木はほとんど全体が若葉色に輝きだす。そして太宰府を離れる5月初めには、太宰府は初夏の青空と燃えるような緑に包まれる。

 

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広い天神広場を方向性を持って掻く。波が寄せたような風景が広がる。

 

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朝のくすかきを終えた天神広場。どこまでも広がる松葉ほうきの縞模様が朝日を浴びて輝く姿は大海原を想起させる。

 

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朝日は掻き山のむこうからあがる

 

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今日の掻き山。

 

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樟若葉色のおみくじ

 

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微妙な色の違い

 

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こんな箱に入っています

 

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くすのこうたき(水蒸気蒸留して樟脳を取り出す)。葉っぱを細かく砕いています。

 

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薪を割って、竃に焼べ、湯を沸かし、水蒸気の熱で葉っぱから樟脳を取り出します。

 

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待ち時間は、芳樟袋に樟の葉っぱを1枚1枚大きさや形を選んでいれていきます。一袋に約20枚入ります。