氷見の寒ブリ不漁

魚々座(ととざ)2日目。みぞれ混じりの雪が降る1日だった。氷見でのそらあみワークショップは、平日も休日も午後13時〜16時で行っている。今日は平日だったので施設への一般来場者も少ない。しかし、そんな中、今日は地元氷見の方々6人で3時間も編むことができた。この6人は去年から継続して参加してくれており、この〈そらあみ〉の時間を楽しみにしてくれていた方々だ。女性の方は「この時間が楽しみでねぇ〜」と言いながら、嬉しそうに編んでいる。そう言ってもらえると、素直に嬉しい。一緒に編む時間が多い方々なので、自然と話も盛り上がる。

 

ここ数日、もっぱらの話題は、寒ブリの不漁のことだ。

 

氷見人A「今日は一本しか揚がらなかったってよ、、、。」

氷見人B「一本って、、、そんなこともあるんやな。多い年は一日に何万本ってブリが揚がるんに」

氷見人C「30年ぶりくらいの不漁らしい」

氷見人A「漁師さん、今年はボーナスなしやね」

氷見人B「今年の嫁入りは大変やね」

五十嵐「なんでですか?」

氷見人B「ほれ。氷見では結婚する時、嫁の家が旦那の出世を願って、旦那の家に出世魚のブリを一本持っていくやろ」

氷見人A「今年は全然獲れんから、キロ2〜3万円するってよ。普通はキロ5000円くらいやから、その4倍やよ」

氷見人C「ブリはだいたい6〜7Kg以上やもんで、一本20万円くらいになるっちゅうことや」

五十嵐「じゃあ今年結婚する氷見の嫁の家は挨拶だけで20万円も必要になるってことですか(笑)」

氷見人C「そういうこっちゃ(笑)」

氷見人B「それやし、長男が生まれたら、鯉のぼり揚げるやろ。あれも氷見では嫁の家から金を出すんや」

五十嵐「鯉のぼりも?」

氷見人B「そうや。みんな嫁の家からや。氷見の嫁の家は大変なんよ」

五十嵐「ほんとですね」「旦那の家は何も出さないんですか?」

氷見人C「出すのは下くらいや。がっはっはっ(笑)」←ちなみにこれは下ネタである(笑)。

 

少し話はずれたが、とにかく今年は氷見の寒ブリが大不漁となっている。今年は全国的に気温が高く、富山湾の海水温が高いとか、ブリが小さい時に獲りすぎたとか、いろいろ原因についての話は出るが、結局、自然相手であるが故に、本当の本当の原因は誰も分からない。いくつもの現象が重なり合って起きているのだろう。

 

ブリや不漁だが、〈そらあみ〉では会話も弾み、順調に編み広がっていっている。

 

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お手製の糸巻き器。一年の間に便利アイテムが増えている。「ないものは作る」これが基本なのだそうだ。

 

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番屋(漁師の作業小屋)に見える。