そらあみツアー〈沙弥島〉。島から学ぶという未来。

沙弥島滞在20日目。今日は沙弥島での〈そらあみツアー〉が開催された。島外からは20名。櫃石島の方は5名。合計25名が集った。そして、これまで以上に若い女性の参加者が多い回となった。

 

また、香川県外からの参加は岡山、徳島、和歌山、三重、神奈川、東京、さらには遥か遠く南太平洋のフィジーからも参加があり驚いた。みなさんの参加理由は「沙弥島に網を編みに来た」「島の人と編む時間を過ごしたくて」「3年前に〈そらあみ〉を見てずっと編んでみたいと思っていて」などなど。

 

さらに会場を賑わせたのは、新聞、テレビ、雑誌など取材が7社も来てくれ、ワークショップ現場は人でぎゅうぎゅう(笑)。〈そらあみ〉の展示会場となる沙弥島開催だったせいなのか、メディア対応に追われる1日となった。注目していただけるのはとてもありがたいですし、うれしい悲鳴ではあるものの、カメラなどがあると、どうしても場が荒れてしまうことと、集った人に向き合う時間が減ってしまうのは、やはりもったいないものである。

 

それでも沙弥島のみなさんが、丁寧に編み方を教えたり、島の暮らしや昔の話や漁の話を伝えたりしてくれたおかげで、沙弥島らしい穏やかに編み進む〈そらあみツアー〉となった。

 

今回の〈そらあみツアー〉が全5回開催の最終回であった。振り返ってみると、どこの島のツアーも、島の人が活き活きとしているのが印象的だった。島の人が先生となって、編み方を教える。漁師さんによって教え方が少しずつ違う。どれも正解。生まれる対話も、漁師さんなら漁の話、じいちゃんなら島の昔話、おばちゃんなら恋愛話島事情などなど、人によって少しずつ違う。どれも面白い。

 

ツアー参加者は、編むのは初めてだし、島のことは知らない。懸命に島から学び、島に感動し、笑顔を返す。初対面だけれども、編んでいるからそこにいることができる。編んでいる場があれば、そこに座って話をすることすら場づくりの1つとなる。

 

そらあみツアーは「編む」ことをきっかけに、島を開いたとも言える。

 

島から学ぶものは、懐かしく、心地よく、どこか新しくも感じる。

 

島であることを忘れ、海と向き合うことを忘れた島国となった日本。どこまで経済発展が続いたとしても、日本で生きるということは、あくまで海に囲まれた島という環境で生きるということである。島で生きる豊かさとは何か?それは日本で豊かに生きる未来につながる。

 

瀬戸内の島には懐かしい日本が残っている。それは時代に忘れられたから残ったのかもしれない。逆にいうと時代が変化してもブレなかった、変わらなかったから残ったのかもしれない。

 

海に向き合い、あるものを活かし、大きな家族のように互いに助け合いながら生きる島のみんなの姿は、千葉の埋め立て地で育った自分にとってはとても豊かで人間的に思える。自分がわかっていないだけで、大変なこともたくさんあるのだろう。不便なこともたくさんあるのだろう。

 

それでも、これだけ人が島へと出会いに、そこに何かを学びにくるのは、欲しているものがあるからである。都市部では得られないものがあるからである。

 

活き活きと教える島の人と、それを懸命に学ぶ町の人の姿、そこから時折溢れる笑顔と笑いに、懐かしい日本の新しい未来を感じる〈そらあみツアー〉であった。

 

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活き活きと教える島の人。

 

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懸命に学ぶ町の人。

 

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若い女性の参加が目立った。

 

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みんなで持って運びます。

 

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記念写真を一枚。

 

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感謝の気持ちを伝えます。笑顔が溢れます。