そらあみ〈島巡り〉完成!!!与島五島、編み合わせ。

沙弥島滞在34日目。今日は、沙弥島の西の浜にて、「そらあみ〈島巡り〉」の完成式を行った。

 

具体的には与島五島が各島で約一ヶ月かけて編んだ5枚の〈そらあみ〉を、1枚につなぎ合わせる“編み合わせ”を行った。

 

与島五島から集った総勢50人ほどの漁師さんをはじめとする島民の方々は、そらあみをきっかけに3年ぶりの再会となった。他には〈そらあみツアー〉に参加した一般の人の姿もあり、一緒に〈そらあみ〉を編んだ仲間が再会する機会となった。

 

西の浜への集合時間は13時。もちろん今日の干潮14時33分のタイミングに合わせた。

 

漁師は集合が早い。集合時間の13時前には、各島から来てくださった漁師さんたちが寄って、立ち話がはじまる。「おうっ!じいさん、まだ生きとったか?(笑)」「まだ、死んどらんわ(笑)」といった感じの粋な挨拶からはじまる。

 

だいたいみなさんがそろったところで簡単な挨拶をして、早速編み合わせ。実際の与島五島の配置と同じように、南から北へ、沙弥島、瀬居島、与島、岩黒島、櫃石島といった順番で編み合わせた。

 

与島の人「おう。おまえのところの編み合わせのやり方の方が、五十嵐に習ったのより、しやすそうやの」

瀬居島の人「そりゃそうや。こっちは本職やからの」

 

なんて具合にワイワイと会話が弾む。別の島の人同士が一緒に編んでいる姿をみると、与島五島オールスターズといった感じで、なんとも嬉しくなる。

 

良い雰囲気で作業は進み、細かなほつれなども綺麗にして、30分ほどで高さ5m×幅60mの一枚の網が仕上がった。

 

「せーの」で声を合わせて、滑車に通したロープを引いていき、徐々に〈そらあみ〉は、瀬戸内の空へ上がっていった。

 

自然と拍手があがり、皆、しばし眺めていた、、、。

 

やはり漁師は海と網がとてもよく似合う。濃紺の漁協の帽子をかぶり、白い長靴を履いて、そらあみと瀬戸内海を背にして話をする姿は、なんだか神々しくもあった。

 

そして、みなさん同じことを言う。

 

漁師「やっぱり、うちの島の網が一番きれいやのう〜。なぁ?」

五十嵐「はい。そうですね〜。どの島も同じこと言ってますよ(笑)」

漁師「ほんまに?(笑)。やっぱ、そんなもんかの(笑)」

 

面白くも不思議なもので、島によって雰囲気や人の性格が違うように、網にも特徴が出る。

 

短いくらいなら、少し長めの方がええやろ、ということで、少し裾が長く保険がかけてある沙弥島。

人が多くいろんな目の大きさがあれど、組織立ってまとまって見える瀬居島。

丁寧にきちっと真面目に編まれた与島。

寸法通りにきちっと仕上がっている岩黒島。

個性的な網の目が、どうにか見事にまとまっている櫃石島。

 

それぞれ本当に違う。違うからいいのである。違いによってそれぞれの良さが、際立つのである。

 

それぞれ本当にその島らしさが網目に現れていて、眺めていると、島のみなさんの顔が浮かんできて思わずニヤけてしまう。これぞ、手仕事でしか感じられない魅力である。

 

与島五島の方々が魅力的だから、そらあみ〈島巡り〉という作品は魅力的ということである。

 

3年ぶりに再びこうして網を編んで、浜でみなさんと再会することができました。

 

とてもうれしい瞬間でした。

 

かつて、そらあみが生まれるきっかけとなった伊豆七島の三宅島で出会った、日々、漁網を編み、90歳を超えた大長老漁師が言った言葉が頭に浮かんでいた。

 

「網は人を寄せる」

 

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細かいほつれも最終調整。

 

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きれいに網目が広がるように、ロープに対して網を均等に広げます。

 

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ここは、こうしてやらんと合わんやろ。

 

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あんたが、編んどったほうが早いわ。あとは頼んだわ(笑)

 

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うちの網と、あんたの網と、よう合わんわ(笑)

 

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徐々に一枚の網に仕上がっていきます。

 

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おーい!準備はええかー?

 

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滑車に通したロープを引いて

 

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そのロープを固定。

 

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おい!あそこ!おかしくないか(笑)

 

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みんなで記念写真を一枚!!!

 

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与島五島の示す立て看板。直線部分は瀬戸大橋。左が岡山。右が香川。

 

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そらあみ〈島巡り〉参加者の名前です。総勢192名。内訳[漁師(島民):111名。一般:81名)