くすかき2日目。かきはじめ。くすのこうたき1回目。

くすかき2日目。今日は、くすかきとして樟の落ち葉を掻く最初の日〈かきはじめ〉である。早朝6時半、太宰府天満宮の境内へと向かう。

 

みんないるだろうか?

 

ドキドキしながら、境内へと入り、天神広場に目をやる。人影をみつけ、嬉しくなる。みんなと樟の杜の朝のこの時間に1年ぶりの再会。

 

「おはようございます!」

「おはよ〜」

「遅いよ〜(笑)」

「眠そうやん。顔腫れとるよ(笑)」

「元気やった〜?」

「1年ぶりやね〜」

「ご無沙汰してます!」

「今年もよろしく!」

「おお!大きくなったな〜」

「この春に小学校入学やけん」

「一番乗り、誰やった〜?」

「一番乗りは信二さん。オレが2番で、ゆうやが3番やった〜」

「次は絶対一番とるけん(笑)」

「葉っぱ、もうだいぶ落ちよるよ。はよ、くすかきせな(笑)」

 

こんなに嬉しい気持ちになるなんて!!!

 

子供の頃、夏休みに、だれか友達いるかな〜?って気持ちで公園に行ったら、けっこうたくさん友達がいた感じに似ている。しかもそれが1年ぶり。しかも朝の6時半!!!なんと合計28人が集った!!!なんとも言葉にできないうれしい感情が湧き出てくる。

 

春の約束の日、早朝6時半の約束の時間、太宰府天満宮の樟の杜で仲間と再会した。

 

早朝の光と聖域の空気。見上げると若葉。足元には落ち葉。まさに、くすかきの世界である。1年ぶりの松葉ほうき。まだ動きはぎこちない。これから、3週間かけて、徐々に掻き手としての間隔を取り戻し、最終日の〈くすのかきあげ〉に向かって、足並みと呼吸を合わせていく。

 

その後、日中は〈くすのこうたき〉。鬼すべ堂で樟の葉を水蒸気蒸留し樟脳づくり。そして16時半から夕方のくすかきをして、1日を終えた。

 

春。芽吹いた樟若葉と、子供たちの成長に1年という時の刻みを、しっかりと感じさせてもらえる。くすかきには子供たちが似合う。やはり樟若葉とイメージが重なるからだろう。

 

仕事の都合上、各地を転々とするが、春に太宰府に来ると、1114年目を迎えた太宰府天満宮と、長いものでは1500年以上の時を刻む樟があり、樟若葉の芽吹きと子供たちの成長を確認することができる。

 

そうすることで、大人になった自分は、今現在、自分がどこにいるのか確認することができる。

 

1年に一度、もどってくる場所がある。

 

今、自分はどこまで来ているのか?次にどこに向かうのか?基準があるから分かるのである。

 

自分にとって、ここ太宰府は、航海で言うところの現在地を確認するための天の星のような土地である。星のように永くそこにあり続ける土地である。

 

航海をしていて、行き先を確認する時は、まず、天の星を見上げて自分の場所を確認する。そして、どこから来たのかを確認し、次にどこに向かおうとしているのかを確認する。

 

1年に1度、生きる航海針路を定めるために太宰府に来ている。

 

あとは、1年に一番早起きで健康的な1ヶ月を過ごし、体と心の調子を整えるためにも来ている(笑)。

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朝6時半。樟の杜。みんなが来ていた。

 

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平成28年くすかき。かきはじめは28名。これからどんな仲間が増えるのか楽しみです。

 

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体も中身も成長しています。

 

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自分で考えて自分で行動できるようになっていました。

 

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1年ぶりの薪割り。

 

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父から学ぶ。

 

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今年の釜は泥だんごで固めます。梅が枝餅屋の跡取りはさすがです。「泥だんごどれくらいの大きさで作るといいと?」「じゃあ梅が枝餅くらいで(笑)」。すると、完璧な梅が枝餅の量で、泥だんごを作ってくれました(笑)。

 

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泥が固まるまで荒縄で固定したら、なんだかありがたい釜に見えてきました。思わず手を合わせたくなるのは日本人だけでしょう(笑)。

 

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水蒸気蒸留装置。右の釜の上に樟の葉が入っており、水蒸気蒸留し左のタンクで冷却し樟脳を回収します。

 

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待ち時間。薪割りしたり、バレーボールしたり。ゆったりと過ごす。

 

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火の番の弟子たちと、泥だんご職人の弟子たち。

 

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泥だんご職人から陶芸家へ(笑)

 

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1日で掻き山がこんなに大きくなりました。