カイコウラ15日目。Shared Lines: Kaikōura Arts Festival開幕の2月16日まで、残すところあと4日となった。いよいよそれぞれのアーティスト作品のインストールも一気に動きはじめた。
そんな中、〈そらあみ〉も今日無事に設置された。もちろん、今編んでいるものではなく、過去に日本の宮城県多賀城市で制作されたものだ。Shared Lines(共有する断層)は、その名の通り、ニュージーランドの地震と日本の東日本大震災がきっかけとなってはじまったプロジェクト。
なので、今回は震災後に東北で制作した多賀城の〈そらあみ〉をカイコウラのメインストリートの緑色の橋に設置し、今編んでいる新作のカイコウラの〈そらあみ〉は、アートフェスティバル会期中もワークショップを開催し編み進め、最終日の23日に海辺の空に掲げるというプランになっている。
自分は今日も引き続き緑の橋のたもとの広場で編み進めつつ、途中途中で〈そらあみ〉のインストールを確認しに行った。
インストーラーのシェインとディーンは、以前にニュージーランドのウエリントンで展示した際に〈そらあみ〉のインストールを経験しているというのもあって安心して任せられる。実際に会うのは今回が初めてだったが、会った瞬間に気があうのが分かった。
〈そらあみ〉のような、大きな作品はインストーラーなくしては成立しない。日本でいう大工さんや工務店さん、建設会社といったイメージだろうか。でも彼らインストーラーの特徴はアート作品の設置に特化しているというところ(日本にも徐々にインストーラーは増えつつある)。
アーティストのイメージを実社会の中で具現化するのに、現実との歪みを埋めなくてはならない。イメージした場所に、どのようにどんな道具を使って設置するのか。最終的な作品の見え方を大きく左右する。故に感覚的ではあるが、気が合う、信頼できるというのが、一緒に仕事をする上でそれぞれの役割は違えども大事なこと。
シェインとディーンは炎天下の中でも丁寧な仕事をしてくれた。無事に設置を終えて握手を交わすと「今日はアイスクリーム2個も食べちゃったよ」と笑っていた。
もちろん、公共の場所での設置許可をとってくれたリンダや、自分とニュージーランドを繋いでくれた日本の方々、そして一緒に編んだ仲間などなど、本当にたくさんの人の協働によって〈そらあみ〉の風景が成立しているのだとあらためて実感する。
国や人種や文化を超え、皆でたどり着きたい風景に〈そらあみ〉があることに心から感謝している。
さあ今回現地制作している〈そらあみ-カイコウラ-〉はどんな風景を捉えるのか。共に編んでいる仲間と、これから会う仲間とどんなつながりを生み出すのか、気合いを入れ直して編み進めていこう。
今朝1番目の参加者。
編む気満々なのか、白糸の次は緑糸を選んで、、、笑
コーヒー休憩中のディーン
学校帰りの参加者たち
支柱となる竹を設置中のシェインとディーン
竹を橋に固定するシェイン
そらあみを広げて設置中。
無事に上がりました!背景に見えるのはカイコウラを象徴する鉄橋。
ディーンがロープを丁寧に巻いて仕上げてくれました。
この橋は、海とメインストリートをつなぐ橋。毎日たくさんの人がここを通ります。設置中も通行者と会話が弾みました。