マオリ語の自己紹介「私の山は〇〇山です」

カイコウラ10日目。今日、午前中は老人ホーム内にある教会で、ディレクターのリンダがShared Lines: Kaikōura Arts Festivalのプレゼンをする横で〈そらあみ〉を実施。午後は、昨日のワイタンギ・デーのマオリイベントのオーガナイザーのセリストの職場(マオリコミュニティが集まる町中にある事務局)の店先を借りて〈そらあみ〉を編んだ。

 

そして夕方に1時間ほど、そこでセリストが先生となってマオリ語講座を開いてもらった。もともとこの事務局ではこういった講座が開かれているようで、ちゃんと教材が用意してあった。歌と自己紹介のしかたを習ったのだが、もちろんすぐには覚えられそうにない。

 

しかし、セリストも言っていたのだが、面白いことにマオリ語と日本語は発音が似ている。練習で母音を発音するシーンがあったのだが、そこでは「ア、エ、イ、オ、ウ」。発音のしかたは英語よりもよっぽど日本人には口がすんなりと動く。一緒に授業を受けていたリンダやクリスティンの方が、我々日本人には簡単な「ア、エ、イ、オ、ウ」がなかなか上手いこと言えないのだ。(ちなみにセリストは埼玉県の西川口に2001年から1年ちょっと英語教師として住んでいたことがある)

 

日本語の「はい」がマオリ語の「アイ」だったり、ほかにも似ている言葉があるそうだ。

 

そして面白かったのが自己紹介の内容である。

 

Tena koutou katoaというマオリ語の挨拶をした後、直訳すると以下になる。

 

私の山は〇〇山です。

私の川は〇〇川です。

私の舟は〇〇です。

私の海は〇〇海です。

私のコミュニティは〇〇です。

私の父は〇〇です。

私の母は〇〇です。

私の名前は〇〇です。

 

といった具合の自己紹介の内容なのだ。思わず考えた。自分の山はどの山だろう?自分の川は?舟は?海は?どこのコミュニティに自分は属しているのだろう?日本の今の自分の暮らしでは、すっかりこれらのものから切り離されてしまっていることに気づいた。

 

自分には、自分の山や川や海と言える、親しみのある自分のベースを作った自然環境はあるだろうか?すぐに思い浮かばない自分は、この地球から切り離されているような、浮いている存在のようなイメージが浮かんだ。セリストが心配そうに気遣ってくれたので、自分と縁のある思いつく山や川や海を答えたのだが、それらが富士山だったり、江戸川だったり、太平洋だったり、あちこちバラバラに離れていることにちょっと違和感を感じた。

 

続けて自分のコミュニティ(いわゆる部族名)は、育ててもらった環境やそこにいた人のことを思い返した。そして、父の名前、母の名前を言って、最後に自分の名前を言うと、地域や家族や両親の先(未来)に自分がいることを自然と意識する。

 

日本で言ったら、〇〇県出身で、地元は〇〇です。と言ったところか、さすがに両親の名前まで言うことは、日本ではほぼないが、自己紹介としては、名刺を交換して互いの肩書きを確認するよりも、こっちの方がよっぽど、どこから来た何者なのかがよく分かる。

 

そして自分でそれらを言葉にして伝えることで、自分が永く連なる時と、土地や地域や人とのつながり中で今ここに生きているということを、自分のルーツをあらためて実感することができる。

 

マオリの自己紹介をすると、自分はどこから来て、そしてどこに行こうとしているのか、さらには何を未来につなごうとしているのか、そんなことを意識する。

 

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今日のカイコウラの朝日。

 

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老人ホーム内にある教会で編みました。

 

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ホームのみなさんにリンダがShared Lines: Kaikōura Arts Festivalについてプレゼンしています。

 

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1人のおじいさんと糸巻きをしました。

 

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セリストの職場、マオリコミュニテイ事務局へ移動。この子は〈そらあみ〉のことがすごく気に入ったようでずっと近くで遊んでいました。

 

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ラビットハンターのペーター。編み方を伝えずとも編めた理由は、ウサギを捕まえるのに網を使うからだそうです。

 

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マオリ語講座の様子。

 

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左は歌の歌詞。右は自己紹介。

 

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クライストチャーチから観光に来ていたおばあちゃん。楽しそうに編んでいってくれました。

 

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マオリコミュニティ事務局外観。カッコいい建物です。

 

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セリストが看板を作ってくれました!