くすかきはじめ。10年目の春。

くすかき初日。今日は天気も良く暖かく穏やかな春の1日だった。10:00から山かげ亭にて〈松葉ほうきづくり〉、13:00から御本殿にて〈くすかき成功祈願祭〉。その後〈柵設置〉を行い、無事に初日を終えた。

 

「千年後の日常を一緒につくってみませんか?」を問いかけとする〈くすかき〉は1000年という時間を想像するプロジェクトでもある。

 

太宰府で迎える10年目の春。1年ずつを積み重ねてやっと10年、この10年の10倍が100年。これくらいまではどうにかその時間感覚を想像できるようになった。しかし1000年となるとこの10年の100倍、、、うーむ、やっぱり1000年となると、とんでもなく果てしない。

 

しかし、ここには1000年以上生きてきた樟の杜があり、1117年の歴史を有する太宰府天満宮がある。そう、具体的に1000年という時間を今もつないでいる存在に出会えるのだ。

 

そこに10年通わせてもらい気づいたことがある。一見、何も変わらずに1000年あり続けているように見える樟と太宰府天満宮だが、毎年必ず樟は新芽が芽吹き、お宮も若手が台頭し、どちらも健やか且つダイナミックに世代交代が行われ、1000年経った今も、どちらも成長を続けているのだ。

 

あり続けるということは、世代交代しながらも、成長し続けるということなのだ。

 

現代の社会生活において自分の人生以上の時間を想像する機会は少ない。ましてや千年という時間など具体的に想像することなどない。

 

それでも確実に千年前があったから今があるのである。千年前から今日まで時代が変わっていく中で、その間に生きた人が残し伝えたかった大切なもの、そして残ってしまった様々な問題が今という時代を形作っている。

 

我々が生きる時代もまた、遥かな時のあいだである。その生き様について太宰府にくると考える。

 

それでも、まずは今年、そして今日をどう生きるか。

 

世代交代しながらも、成長し続けられる〈くすかき〉であるよう1000分の10年目の挑戦がはじまります。

 

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樟の落葉はじまってます!今年は落ちるのが早いかな?

 

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天満宮の松葉ほうきを毎年200本以上制作されている職人の原口さんに来ていただき〈松葉ほうきつくり〉を行いました。松葉ほうきをつくって64年、御年82歳になられます。

 

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今年も満開の桜の木の下という最高の制作会場になりました!

 

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自分の松葉ほうきをつくるところからはじまります。

 

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集中して制作すると時間はあっという間に過ぎていきました。

 

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完成!

 

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柵も無事に設置完了!明日の早朝6:30から日々のくすかきはじまります!