くすかき八日目。今朝の気温は10度と暖かく、樟の杜の境内は一面落葉が広がっていた。6時半からの〈朝のくすかき〉には大人20名、子供17名、なんと合計37名が集った。おそらく〈朝のくすかき〉史上最高人数となった。その後、10時から〈くすのこうたき(樟脳づくり)〉、16時から〈夕方のくすかき〉といった1日。
〈くすかき〉は、その日の落葉が多いか少ないか、想像はできても本当のところは行って見ないとわからない。それと同じで、どれくらいの人数が集まるかも行ってみないとわからない。しかし今日は葉っぱも人も多かった。そして、とても良い〈くすかき〉ができた。あれだけの広範囲の落葉と無理なく向き合えるなんて、これまでのみんなの経験が活かされ、〈くすかき〉として一段階ランクアップしたような感覚を覚えた朝となった。
今朝はあまりの落葉の多さに定時の6時半より少し早く、到着したら順次はじめてもらった。すると次から次へと人が集い、大量の落葉が広がる境内と向き合う気持ちが重なるかのように活気が生まれ、天神広場全体を網羅するほどに広範囲に渡って〈くすかき〉することができた。しかもすごかったのは、あれこれ指示を出すのではなく、経験者がそれぞれに考え、道具を出したりしまったり、〈くすかき〉する範囲を判断したりしながら、ごく自然な流れで普段通りの時間で終えることができたことにある。
7時過ぎ、朝のくすかきを終え、地面にしっかり縞模様が入り、一段と大きくなった掻き山を眺めると、なんとも言えない達成感が辺りを包んで、自然と会話が弾んだ。
「いやぁ、今日はすごかったね。いい感じやった!」
「人も多かったけど、あれだけの落葉の量でよく時間通り終わったよね」
「ほんと、朝来た時はどうなるかと思ったよ」
「なんか、いい流れがあったよね」
「そうそう、なんか今日は活気があったよ」
「大人も子供もみんなよく役割分担してやれてたしね」
「やっぱ、葉っぱが多かったから、みんな気合いが入ったんでしょ(笑)」
落葉の量や、人数、メンバー、天候や気圧や気温など、様々な条件が揃ったことで生まれた理想的な〈くすかき〉の時間だった。今年はあと何回こんな瞬間に立ち会えるのだろう。落葉の多い朝が楽しみでならない。
境内に広がる落葉
自分ができることを、それぞれに。まるで朝のセッションをしているよう。
本殿前のスペースまで
こっちは絵馬堂の前のスペースまで
掻き山は一段と大きくなりました。
〈くすのこうたき〉水蒸気蒸留する葉っぱから枝や砂など余計なものを取り除いています。
〈くすのこうたき〉お昼休憩中。桜満開です。
〈くすのこうたき〉燃料にする薪割り。この一年でまた一段と逞しくなりました。
〈夕方のくすかき〉夕方までにまたこんなにたくさんの落葉がありました。