くすかき六日目。“整える”とは

くすかき六日目。6:30〜〈日々のくすかき〉(参加者43人)。10:00〜16:00〈山かげ亭での制作〉(参加者8人)。今朝の気温は12度。昨日の朝は6度だったので、かなり暖かい朝。日中も気温は23度まで上がり、気持ちの良い風が吹き抜け、桜吹雪に包まれた一日だった。

 

今朝、松葉ほうきを手に葉っぱを掻きながら考えていた。

 

“整える”とは何か。

 

〈くすかき〉は“次なる葉が落ちてくる場を整える”という考えを大切にしている。

 

では“整える”とはいったいどういうことなのだろう?

 

ただ単に松葉ほうきで葉っぱを集めることだろうか?

1つ樟の木を決めて、その木の下を掃除することだろうか?

地面に美しく縞模様を入れることだろうか?

 

“整える”とはいったいどういうことなのだろう?毎年考えるが答えが出ない。

 

辞書には以下のように記してある。

 

ととの・える〔ととのへる〕【整える/調える/斉える】

 必要なものをすべてそろえる。間に合うように用意するまた、買ったりしてとりそろえる。「支度を―・える」「夕食を―・える」

 乱れのないように形をきちんとする。「服装を―・える」「隊列を―・える」「体勢を―・える」

 交渉相談成立させる。まとめる。「縁談を―・える」「商談を―・える」

 点検して望ましい状態にしておく。調整する。「楽器音程を―・える」「味を―・える」

[補説] 多く2は「整える」、134は「調えると書く。

 

どうやら一番近いのは2の“乱れのないように形をきちんとする”のようだが、“きちんとする”もだいぶ内面的な言葉だ。自分としてはきちんとしていても、人によってはきちんとしていないと思う人もいる。

 

ということは、人によって“整える”は違うということになる。

 

その人にしかない“整える”があるということだ。

 

そう考えると、毎朝集った人がそれぞれに松葉ほうきを通して、内的な“整える”を外在化、もしくは可視化しているのが〈くすかき〉とも言える。

 

目には見えない心の中を無意識的に表現しているから、すぐにみんな仲良くなるのかもしれない。

 

確かにそう考えてみると、“掻き方”というか“整え方”には本当に一人一人の性格が表れている。

 

整え方を見てその人を知る。

 

それと同時に、正直に言うと、場を整えると言いながら、自分の心を整えている。

 

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無意識で整える

 

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どこで誰と整えるか

 

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芳樟袋に入れるための落ち葉拾い。

 

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掻き山は心の集積とも言える。

 

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山かげ亭での制作風景。樟香舟を折る。芳樟袋に樟葉を入れる。写真では伝わらないが会話が弾みすぎて止まらない明日から高校生になる3人。時折、歌も歌っている。

 

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写真では伝わらない桜吹雪。

 

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芳樟袋の口を閉じて形になってきました。今年もいい色!!!