“くすかき”を整理する

くすかき14日目。今日は、抜けるような青空に恵まれ、暖かく風もあったので落葉も多く、くすかき日和の気持ちの良い1日となった。

 

また、サプライズで横浜から、以前横浜でのプロジェクトでお世話になった中村さん家族が来てくれたり、明日から自分は瀬戸内国際芸術祭の作品撤去のため数日太宰府を離れるため現場サポートに入ってもらう塩野谷くんが東京から到着したり、遠方からの方が太宰府にやってきた日にもなった。

 

夕方のくすかきを終え、滞在先である山かげ亭に戻り、初の太宰府入りであり、くすかき初参加の塩野谷くんと“くすかきとは”についての話になった。

 

くすかきに実際に参加してみると、現場には様々な側面があり、いろんな見え方や解釈をすることができる。

 

実際にやっていることを整理すると

・毎日、樟の葉を掻いて集めること

・集めた葉で樟脳をつくること

・最終日に樟脳の香りを天に届けること

 

これらの行為はつながっているが、いろいろな側面がある分、“くすかきとは何なのか?”と考える時に、初めての人には分かりづらく、参加している人も第3者に説明しづらい。では、シンプルに一言で説明するなら、くすかきとは何なのだろう?

 

それは、「毎年1本の樟の木をつくること」である。

 

天から降りて来た樟の葉を掻いて集め、香りとして結晶化し、天に届ける。そこには、葉っぱが集まって香りとなり、天に届くという、地面から空へと向かう1本の道筋ができあがる。その道筋が、毎年つくる1本の樟の木となる。天に届いた香りは翌年、また天から葉に宿って降りてくる。

 

この循環の道筋が空へと向かう場所が、かつて千年樟があった場所である。毎年この道筋をたどり、他の実在する立派な樟と同じように空を見上げることができれば、見えない樟はありつづける。

朝のくすかきのはじまる8:30からの朝拝より前の8時すぎ。天満宮幼稚園登園前に、少しくすかきしてから「いってきま〜す」と「いってらっしゃ〜い」のご挨拶。最近の朝はいつも一番乗りです。

樟の葉越しの青空