お肉屋さんにくすかきチラシが張り出されていた

太宰府滞在4日目。くすかき11日前。今日は雨が降ったり止んだりを繰り返す天気で、一日室内での事務作業を行った。

 

お昼に、以前からの知り合いで天草の陶芸家「市山くじらや」の市山氏が毎年この時期に行われている福岡マリンメッセでの展示会の帰りに太宰府に寄ってくれ、久々に再会。博多の友人に「市山ちゃんとイガちゃんが来ると春が来たなって最近思うんだよね」って言われた。と嬉しい話をしてくれた。

 

一緒に昼食をと、参道を歩く。

 

すると、「あれ?これってくすかきチラシじゃない?」

 

そう、そこには出来立てホヤホヤのくすかきチラシが張り出されていた。昨日の日記にも書いたが小さめのポスターほどのサイズの参加者のためにデザインしたチラシである。自分がくすかきチラシと出会ったのは、文具雑貨屋さんとお肉屋さんと、なんと2店舗。

 

あまりに嬉しくて、思わずお店に張り出された、くすかきチラシを盗撮した。笑。

 

昨日、お宮への挨拶まわりをしてチラシもお渡しした。しかしまだ参道への挨拶回りはしていない。ではなぜ、このタイミングでチラシが貼ってあるのだろうか?

 

考えられることは2つ。1つは一昨日の太宰府天満宮ボランティアガイド例会にて、くすかきの説明をした時に聞きに来てくれており、チラシを持って帰ってくれた。1つは去年、くすかき奉加帳(寄付制度)に参加してくれた方に、全国発送でチラシを郵送したので、そのラインで手に入れた。その2つ以外には考えられない。

 

まあ、どちらにせよ、チラシの入手方法はどうあれ大した問題ではない。何より感動したのが、そのチラシを貼り出してくれていたことである。しかも自主的に!こんなに嬉しいことがあるだろうか!地域にくすかきが受け入れられているという何よりの証拠である。こんな現象はこれまでなかった。5年つづけてきたことで、信頼を得た成果である。だってまだ、「今年もお願いします」の挨拶をする前に店舗に掲示してくれているのだ。プロジェクトへの賛否を無言で示してくれているように思え、涙が出そうになった。

 

そして、忘れてはならないのが、このくすかきチラシのデザインである。チラシよりも大きく、ポスターよりも小さいA2サイズに大きさを設定し、各家々や店舗に掲示してもらえることを狙ったデザインが、自然に機能したということである。なぜなら説明なしに2つの店舗が、このチラシに出会って自然に掲示してくれたのだから。まさにくすかきチラシにおけるアフォーダンスに成功したのである。改めてデザイナーの河村美季氏にこのことを伝えたい。

 

5年間続けてきたという信頼と、チラシのデザインが自然とくすかきチラシを店舗に掲示するという結果を生み出した。

 

参加者から当事者へ。くすかきというプロジェクトが取り巻く状況は5年目にして、太宰府という土地で大きく変化を遂げようとしている。

くすかきチラシ1枚1枚に朱色のハンコを押す。印刷では伝わらない何かが伝わることを信じている。

 

普通に貼り出されていた。それはまるでプロジェクトに対する無言の意思表示のように感じられた。

 

お肉屋さんにも普通に貼ってあった。太宰府の一年の暮らしの中に、くすかきがあるのだと言ってくれているようで涙が出そうになった。