Aproveitar(アプロヴェイタ)

ブラジル18日目。ナタルツアー4日目。今日は日本代表の第2戦であるギリシャ戦が行われる。午前中はせっかくナタルまで来たので海を見に行った。蒼い海に象牙色の砂浜。そこはまさにビーチリゾート。たくさんの観光客がおり、お土産物屋さんもたくさん。売り子も次から次へとやってくる感じ。

 

そして日本人も多い。日本代表の青いユニホームを着ている人が目立つので分かりやすいし、私服を来ていても日本人というのは不思議とすぐに分かる。日本人を見つけるとブラジル人は嬉しそうに「ジャポネーズ!」と声をかけてくる。試合の日にユニホームを来て歩いていると突然「ヤーポン!ヤーポン!ヤーポン!」と大合唱が始まったりする。そんなときは、笑顔で親指を立てウインクで答える。それでだいたいOKだ。

 

そういえばブラジルに来てから良く親指を立てて返事をすることが多い。返す言葉が分からないからというのもあるが、なんだか良く分からないことも良いイメージで返答出来る方法として何かと便利なのである。

 

ブラジルの感覚だと、試合のある日はユニホームを着る。もちろん自分の国の試合のある日なら分かる。それだけではなく他国同士の試合を見に行く時も、代表のユニホームを着る。それはブラジル人に限っているわけでもないようで、ワールドカップの現場はそんな感じだ。時刻のユニホームを着ると、どこの国の人なのか一目瞭然なので分かりやすいということだろう。

 

ナタルのスタジアム「Arena das Dunas(アレーナ ドス ドゥーナス)」にはブラジル代表ユニホームを着たブラジル人が多く集った。頭に「日本」「必勝」「闘魂」などに日の丸の入ったハチマキをしているブラジル人が目立つ。日本の応援グッズとしてハチマキは人気みたいだ。だが、5人に1人くらいは漢字が上下逆さまになっている(笑)。それもまた良い。日本人サポーターもレシフェの時より明らかに多い印象だった。スタジアムは、日本人とブラジル人によって、ほぼ日本サポーターで埋め尽くされキックオフ。応援も盛り上がる。相手に退場者が出て1人減り10人対11人、日本は有利。しかし点が入らない。そのまま90分が経過。最後、スタジアムに訪れたブラジル人達はゴールが生まれないイライラが募りすぎてブーイング。結果は0対0。予選グループ突破に向けて厳しい結果となった。

 

ポルトガル語には「Aproveitar(アプロヴェイタ)」という言葉がある。意味は「利用する、活用する、楽しむ」。ブラジル人の国民性を象徴するような言葉で、例えば、誰かに頼まれて車である場所まで人を送った帰りに、そのまま帰るのではなく、近くにいてなかなか会えない親戚を乗せて帰ったり、もっと単純に言えば、船の積み荷を空にして航行しないというようなことである。その時起きている状況を最大限に利用し、活用し、楽しむといったことである。今日のサッカーの試合の結果もそうだが、日本人はこの辺りが苦手なようである。任務遂行は得意だが、変化する状況への柔軟性に欠ける。これは自分にも言える。

 

ブラジルという国から何を持ち帰るのか?日本代表を見ながら自分について考えた。Aproveitar(アプロヴェイタ)しようではないか。この状況を利用し、活用し、楽しむのだ。そして積み荷をいっぱいにして持ち帰ってやろう。

 

とりあえずブラジルに来ていて今感じていることは、今の日本は“ヌルい国”であるということである。それは良い意味でも悪い意味でもある。故にその国で育った自分もまたヌルい人間である。良いとか悪いとかではなく資本主義の成熟が招く状況なのだろう。それに気が付けただけでも収穫である。

 

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とんでもない高層マンションに宿泊。ナタルの町と海が見渡せる。

 

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絵に描いたようなビーチリゾート

 

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ビーチ沿いの道

 

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ブラジル美人とマッチフラッグ

 

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なぜかダルビッシュ

 

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ブラジルにて二度目の君が代。こんなに大きな声で国歌斉唱したことありません。

 

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ブラジル人達と共に