宮司邸

太宰府28日目。くすかき20日目。朝のくすかきをして、朝拝に行き、その後、宮司邸へ。宮司さんと奥様の圭子さんが「くすかき奉加帳」へ参加してくださると連絡をいただき、約束の時間に会いに行った。とっても忙しいお2人がこのために時間をつくってくださったことに、まず感謝である。

 

お2人には、2010年に《くすかき》がはじまる前から、いろいろと相談にのっていただいたり、最初の最初からずっと応援してもらっている。この「くすかき奉加帳」という、1人1人向き合うことを大切にし、署名をしていただき寄付を集める方法も、参加型プロジェクトであるスタイルに合っているのではないかと、宮司さんからアイデアをいただいたものである。

 

現段階でお2人に今年のくすかきの報告を簡単にさせてもらった。宮司さんが特に喜んでくださったのは、子どもたちが楽しそうに、且つ積極的に参加してくれていることだった。

 

宮司さん「くすかき定着してきたね。季節の風物詩になってきたよ」

五十嵐「はい。ありがとうございます。早朝6時半は出勤前の大人や、通学前の子どもたちが毎朝20名前後参加してくれて、朝のラジオ体操のような感じになってきました」

五十嵐「夕方のくすかきの後は、子どもたちが境内でコマまわしや野球なんかして、地元のお宮としての温かい雰囲気が広がっています」

宮司さん「それはお宮としても嬉しいな。以前のように境内に子どもたちの声がもどった。私も小さい頃は《くすかき》の葉っぱの山があるところの石灯籠を背にホームベースにして野球したりして遊んでいたんだよ。今みたいに樟のまわりには柵もなかったしね」

五十嵐「それに、太宰府小学校に通う小学生たちが、自ら《くすかきポスター》を持って行って、校長先生に交渉して、1年生から6年生まで全18クラスに掲示してくれたんです。下駄箱にも貼ったって言ってました(笑)」

宮司さん「それはすごいことだね。これから未来をつくっていく彼らが、そうして積極的に参加してくれるというのは、《くすかき》が本物ってことだよ」

 

とっても良い報告ができた。1110年以上の歴史のあるお宮で、まだたった6年目ではあるが続けてきてよかったと思う。そして子どもたちの成長と共に、このくすかきもまた成長していくのだと、あらためて思った。そして、自分もまたこの地で《くすかき》をきっかけに作家として、1人の人間として成長させてもらっている。《くすかき》に関わる全ての人にとって、そこに関わることで発見や成長ができる存在でありつづけていられることを目指そうと思う。

 

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目立て(縞模様を入れる)をして、場所を整え、次なる葉っぱが落ちてくる場所づくり。

 

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掻き山のむこうにある石灯籠。あれを背に宮司さんも子どもの頃、境内で野球をしていたそうです。

 

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山かげ亭にて、樟脳の昇華を行い、純度100%の結晶にします。上手に結晶化すると、なんと葉っぱの形になるのです!

 

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昇華の様子。固体か気体でしかいられない樟脳の特徴を利用し、下から熱を加え、上で冷やします。下で気化した樟脳は上の皿の底(下側)に付着し結晶化し、下の皿に不純物のみ残るという仕組みです。

 

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昇華を終えた樟脳は、薄い紙に包み、それを和紙でパッケージし「樟香舟」となり、寄付をしてくれた全国の方々の元へと、春の香りを届けに旅立ちます。

 

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地元太宰府の方の声がけで《くす鍋会》開催!明後日に迫った最終日「くすのかきあげ」に関する打合せをしつつ、みんなで当日へ向けて英気を養おうというもの。もつ鍋に水炊き。めちゃくちゃ旨かった!そして、この「くすのかきあげ」2日前の《くす鍋会》を恒例行事にしたい!!!なにより地元の人の声というのが嬉しい!!!くすかき最終日に向けて盛り上がりを感じる良い時間になりました!!!!!