実は昨夜6月29日17:00頃ブラジル入国後、すぐホテルへ移動し、その後、19:00頃から現地関係者の顔合わせ食事会があった。代理店担当者:小林さん(日本)、施工担当者:市川さん(日本)、コーディネーター:ジョーさん(ブラジル)、コーディネーターアシスタント:ジュリちゃん(ブラジル)、ドキュメントカメラマン:ラファエロさん(ブラジル)、ブラジル国内広報担当者:エリコさん(ブラジル)、大工:谷口さん(ブラジル)、通訳:高塚さん(ブラジル)などなど、といったメンバーが集った。自分は、そのまま大工の谷口さんと、乃村工藝社の市川さんと組台の施工に関する打合せを行った。結局、この会は23時過ぎまで続いた。到着初日から充実した時間だった。
そして今日が、サンパウロ1日目。8:00ホテル出発。午前中に他のアーティストが交流する2つの施設「Monte Azul」と「憩の園」を訪問。それぞれ移動は1時間ほどかかり、サンパウロの広大さを体感した。
午後に自分がこれから約1ヶ月間かけて交流をする施設「PIPA」を訪問。施設長のヒカルドさんと挨拶。これから滞在する家や食事に関してなどの暮らし方を、時間がなかったのでごく簡単に確認。ひとまず、最初のPIPAの印象としては場所も人も良さそうである。
そして再び車で約2時間移動し組台を作っていただく谷口木工へ。大工の谷口さんと昨日ぶりに再会。谷口木工の工場視察をし、十分な施設と加工技術があることを確認。そのまま組台施工方法、及びスケジュールに関して打合せを行った。出席者は大工の谷口さん・展示全般を扱う乃村工藝社の市川さん・通訳の高塚さん・五十嵐。
昨日紹介される際、おそらく自分に分かりやすいように、「大工の谷口さん」と説明してくれたが、谷口さんはブラジルの大きなレストランチェーンに家具を納品し、海外のレストランの仕事もするような大きな家具製作会社「谷口木工」の社長さんであることが分かった。日系ブラジル人でポルトガル語はもちろん日本語も話せるやり手社長である。事務所もブラジルとは思えないくらいにきれいでモダンな内装で、工場では木材や金属を加工する機械とスタッフがフル稼働していた。
事務所でデスクワークをしている人、工場の製作スタッフ合わせると数十人はいそうである。そして何より驚いたのは、皆非常に真面目に黙々と仕事をしているのだ。これは失礼な言い方かもしれないが、自分の中ではこんなに真面目にテキパキと働くブラジル人を見たことはなかったし、イメージもなかった。
つい先日、出国直前に日本で聞いた仕事向き合う姿勢が各国違うという話では、「日本人は言われなくても仕事をする」「ドイツ人は真面目に仕事をする」「ブラジル人は楽しくないとやらない」なんて聞いていたのもだから、なおさら驚いた。
やはり谷口さんは日系ブラジル人。日本の良い影響が会社の雰囲気に現れているのかもしれない。
みなさんが働く姿を見て、これは信頼できる。そう思った。
谷口さん自身にも組紐の台をつくることに強い興味を持っていただけたようだった。しかも今回製作をお願いする組台は大きい。組紐は普段一人で組みを行うので、その組台はほとんどが卓上サイズなのだが、今回自分はリオでの展示に向けて2人以上で組みをする大きな台を作ろうと計画している。そのあたりに関しても、谷口さんはすぐに理解してくれ面白がってくれた。ブラジルという土地でどうなるか全く見当がつかなかった組台製作であったが、これで目処がついた。
組台と玉の試作品制作を依頼し、帰る頃にはあたりは真っ暗になっていた。到着して時差でクラクラしながら移動と挨拶と打合せが連続しクタクタになったサンパウロ1日目。PIPAの近くのレジデンスのベッドに沈むように眠る。
移動しながら、車窓から見た空の青さが日本と違って見えたのが印象に残っている。
「Monte Azul」で出会った猫。
「憩の園」で出会ったオウム。施設や家で動物を飼うのが一般的なのだろうか?
谷口木工にて。カットや溶接など金属加工もできる。
2人で協力して作業している。真面目なブラジル人もいるのだ。
黙々と細かい仕事に精を出している。