大きな家族

DAY8 AM / Cuverville Islandに上陸。凧を揚げる準備をし、みんなからも今日は揚げるのか?と聞かれ、期待も伝わってきたが、風が弱く、また巨大なペンギンコロニーがあるため、万が一凧がペンギンに当たる可能性を避けるため、今日は実行しない判断をした。

 

オーガナイズをしているナディムからは、リラックスして休んでいいよと言われたが、同じボートで渡ったドイツ人の建築家のグスタフがインスタレーションをするので、その準備を手伝った。昨日、みんなが自分のインスタレーションのサポートをしてくれたように、自分も自然とグスタフの作品を成立させたくて体が動いた。

 

午後は、ポノマリョフの海中でのプロジェクトが行われ、海上からは見ることができないので、記録を楽しみに、皆で見守った。

 

南極ビエンナーレの航海はまるで、ポノマリョフが父の大きな家族のように思えてきた。ロシア、カザフスタン、イギリス、アメリカ、スペイン、フランス、ドイツ、スウェーデン、モロッコ、アンゴラ、ブラジル、アルゼンチン、エクアドル、アラブ首長国連邦、インド、バングラデシュ、中国、日本、、、思い出せないだけでまだ他の国からも来ている。いろんな人がいるから、違いがあり幅があるから、自分の居場所を見出すことができる。うまく言葉が通じあわない場合はゆっくりと相手を待つ。相手のことを想いイメージする時間がある。

 

スマートフォンとインターネットから離れ、海の世界に体をつくり変え、人と人が向き合う時間がこの航海を包んでいる。

 

きっとポノマリョフが若い世代のアーティストや科学者や思想家の我々に伝えたいことは、こういうことなのだと思う。

 

DSC_3901_s

ペンギンとの距離が近い。勝手に寄ってくるのは仕方がない。

 

DSC_3903_s

我々の荷物に興味を持つペンギン。

 

DSC_3909_s

突進してくるペンギン。

 

DSC_3914_s

アザラシもたくさんいる。

 

DSC_3917_s

手付かずの自然。亡骸もたくさんあります。

 

DSC_3923_s

ドイツ人アーティストで建築家のグスタフの作品。

 

DSC_3927_s

水で濡らして凍らせて構造を作る狙いがあるが、なかなか自然条件は整わない。

 

DSC_3929_s

ペンギンの巣。

 

DSC_3940_s

ゾディアックにコミッショナーでアーティストのアレクサンドル・ポノマリョフの作品を乗せる。

 

DSC_3941_s

作品に手を入れるポノマリョフ。

 

DSC_3955_s

氷塊。

 

DSC_3964_s

ポノマリョフの作品を海中に沈め、水中カメラマンが撮影中。

 

DSC_3965_s

氷塊の上に一匹のペンギン。

 

DSC_3967_s

何を想う。