くすかき二日目。昨日は成功祈願祭と松葉ほうきづくりだったので、実際には樟の葉を掻いていない。日々のくすかきという意味では今朝が初日となる。今日は一日、あられ、雷、曇り、雨、晴れといった変化を繰り返すような不安定な天気に翻弄された。長い目で見ると初日にあられが降った年もあったねと振り返る日が来るのだろう。
6時前、雨音で目覚める。せっかくの日々のくすかき初日だったのだが、、、。6時すぎには小降りになった。誰かが来ているかもしれない。6時半、天神広場へ到着すると、大人16人、子供8人、合計24人。みんな来ていた!
「雨やね」
「どうする?」
「葉っぱが泥だらけになるやろ」
「くすかきしたいけどね」
「葉っぱも落ちとらんしね」
「まぁ、こんなはじまりの年もあるやろ」
再び降り始めた生憎の雨で、朝のくすかきは断念。というか落葉も非常に少ない。やはり今年は遅いのだ。せっかく集まったので、五十嵐の解説で境内の樟の木をめぐるショートツアーを急遽開催。お参りもして一旦解散。
10時から、鬼すべ堂にて、くすのこうたき(樟の葉を水蒸気蒸留し樟脳を抽出する)を行った。薪割りをして焚き火をし、湯を沸かした水蒸気で蒸して、砕いた樟の葉から成分を抽出し、水で冷やして、樟脳を取り出す。あられ、雷、曇り、雨、晴れと、めくるめく変化する天候の中行われた。風と水が冷たい。昨日の日中は比較的あたたかかったが、今年の太宰府は明らかに去年より寒いようだ。朝晩もかなり冷え込んでいる。
地元太宰府のみんなが事前準備でつくった窯が良い感じで、さらに外気温の寒さもあり、鬼すべ堂には樟脳の香りが立ちはじめた。どうやらうまく樟脳を抽出できているようである。
16時、夕方のくすかき(土日のみ開催)をしに天神広場へ。と思ったら、雷が鳴り、再びあられが降ってきて、次は突然の雨。天神広場で一時待機したが、境内には小さな水の流れができるほど、葉っぱも濡れ、中止と判断。帰ろうとすると、再び太陽の光が射した。天気に翻弄された一日だった。
朝六時半。天神広場。樟の杜の朝、誰かが来るかもしれないと足を運び、会えた時の嬉しさ。約束は心の中にある。メールや携帯では得られない、どこか懐かしい感動がある。
くすかき参加カードは春から中学生になる米湊咲希ちゃんのデザイン。今年は松葉ほうきのカードに葉っぱの判子が増えていくもの。首にかけたくなる素晴らしいデザインです。
窯の強度を増すための粘土を練る。大人の粘土練りの姿、ステキです。
くすかき初年度に生まれた江藤草次くん。春から2年生になります。
水蒸気蒸留のために樟の葉を分別。
水滴の周りに白く見えるのが樟脳です。
夕方、再びの雷、あられ、雨。
最後、再び陽が差しました。今年のくすかきかわら版の題字は、五年生になる納戸真希くん。お正月に行われたくすかき初年度の集い「かき初め」でみんなで書いた中から選ばれました。