くすかき八日目「くすかきに集まる子供たち」

くすかき八日目。6:30〜朝のくすかきは雨のため中止。10:00〜15:00のくすのこうたきには大人15名、子供20名の合計35名の参加。16:00〜夕方のくすかきには大人13名、子供2名の合計15名が参加。

 

今朝6時頃までは小雨だったが、6:30の朝のくすかきを前にして雨足が一気に強くなり中止と判断。家を出る時には雨が止んでいて、くすかきできるかな?と集ったみんなと、屋根のある絵馬堂で雨の天神広場をしばし眺め、「今年はなんだか雨が多いね」といった会話を交わし、解散。

 

10:00〜15:00のくすのこうたき(樟の葉を水蒸気蒸留し樟脳という香りの結晶を抽出する)には、この天気だと人があまり集まらないかなと危惧していたが、ふたを開けたら、大人15名、子供20名の合計35名の参加で賑わった。

 

くすかきに集まる子供たちは、たくましく、素直で、素朴な子が多い。みんな気持ちの良い子供たちだ。薪割りをしたり、窯に薪を焼べている風景はまるで戦後や昭和の頃のような光景である。

 

今日、参加してくれた春から4年生になる男の子は登場した際、リュックサックに大きなスコップが刺さっており、脇にはノコギリがぶら下がっていた。なんとそのスコップは誕生日プレゼントに自らリクエストしたスコップだという。誕生日プレゼントにスコップが欲しいを答えるようなカッコイイ少年である。彼は薪割りも無駄な力が入っておらず、自分の今の体のサイズでは割れないような大きな丸太も、外側から剥ぎ取るように割って、最終的には見事に割り切る。話を聞くと、剣道で西日本大会3位になったという。数年前からくすかきに参加してくれているが、驚きの成長を遂げていた。

 

他にも、泥で汚れてしまった自分の十得ナイフを丁寧に洗っている子がいたり、窯に火を点けるのに必要な薪を自主的に山に取りに行く子がいたり、そろそろ時期だよねといった感じでタケノコを掘りに行く子がいたり、ほんとうにみんな一緒にいて気持ちが良い。この星で正しく生きているように見える。これは親の子育ての方針も大きい。また、くすかきに参加している家族は子沢山が多い。なんとなく3人兄弟くらいが平均で、多いところは4人兄弟も5人兄弟といった家族もいる。

 

ちらっと聞いた話では、中には小学校に入った時に少し苦労する子もいたりするそうだ。自然の中で、たくさんの兄弟や、大きな家族仲間と、のびのびと育った子が、学校という一つの価値のあり方で、枠組みに上手に入ることを良しとする現代社会の小さな象徴のような環境に、彼らが遭遇するというのはなかなか、本人の中では状況の違いに苦労するだろうし、自分の中で調整やバランスを保たなければならないのだろうなと想像する。

 

枠組みに当てはまる人を育てる社会ではなく、その人の特徴(できることできないこと)が他者との関係性によってフォローしあえたり、互いの才能が活かされるような社会であるべきだと考える。

 

効率的な社会運営のために人が存在しているわけではなく、人がつながって社会ができあがるのが本来のありかただ。彼らの未来をどうつくっていけるか、それは今の大人の仕事であり、彼らとともにつくるものでもある。

 

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6:30絵馬堂にて

 

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2歳にして樟の葉を見分け分別している。驚き!

 

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水蒸気蒸留装置冷却のため水が流れている。そこに集って葉っぱを船にして流したり。こどもは水が好きだ。

 

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窯の火番の監督と、小さな監督と、、、偶然にもダメだしされるアシスタントのように跪く大人の図(笑)

 

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薪を割る風景。

 

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樟脳は白くちゃんと抽出されているようです。

 

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16:00〜夕方のくすかき。すごい量の落葉。

 

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美しく場と向き合う。