くすかき十四日目「人の手を航海する舟」

くすかき十四日目。6:30〜朝のくすかきは大人18名、子供8名、合計26名の参加。天気は晴れ。今朝も冷え込んだ。落葉は少ない。朝のくすかき終了時間は7:00時ごろだが、今朝は落葉も落ち着いていたので、少しだけ早めに終えて、芳樟袋に入れる葉っぱ選びをした。

 

【芳樟袋(ほうしょう-ぶくろ)】

くすかきで集めた一年間の記憶を宿す樟の葉を布で包んだ匂い袋。古くは平安時代から芳香・防虫剤として使われてきました。時間が経っても手で袋を揉むと再び香りが立ち上がります。

 

芳樟袋はプロジェクト運営資金を得るために、太宰府天満宮の案内所と宝物殿で春限定商品として販売させていただいております。また、くすかき奉加帳(http://igayasu.com/kusukaki/houga/)という一口2000円の寄付制度(銀行振込可能)のお礼として、樟香舟(週末のくすのこうたきで樟葉を水蒸気蒸留し抽出した樟脳という香の結晶)と共に、全国のくすかきサポーターへ、毎春お礼として届く太宰府からの春を告げる香りとして愛されています。

 

そんな芳樟袋の葉っぱ詰めは、地元のみんなでやっています。朝のくすかきで葉っぱを選び、その葉っぱを山かげ亭(天満宮が管理するレジデンス)に持ち帰る。日中、くすかきをするにはまだ少し早い2歳以下くらいのこどもとお母さんたちが、その葉っぱを芳樟袋に詰める。授乳しながら葉っぱ詰めをしたり、子育てや、数年後くすかきデビューする話をしたり、すでに参加しているお兄ちゃんやお姉ちゃんの成長について話をしたり。朝のくすかきとはまた違った穏やかな時間が流れているが、これもまたくすかき参加の一つのかたち。

 

手から手へ、朝のくすかきのみんなから、葉っぱ詰めのみんなへ、そして、全国のみんなへ。樟の葉っぱは人の手から手へと航海する小さな舟のようである。

 

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「でかくない?」「もう去年のくすのかきあげ最終日と同じくらいの大きさやないと?」「そうよね、今年の掻き山この時期にして、かなりでかいよね?」

 

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芳樟袋に入れる葉っぱ選び中。

 

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光って見えるのが若葉です。

 

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手から手へ航海する小さな舟のようだ。

 

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この空気感も袋に一緒に入って全国へ届く。

 

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お昼ご飯。山かげ亭のお庭にて、桜吹雪の中。

 

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瞳を閉じた、こどもを抱いて、芳樟袋の袋も閉じて。