手はこの世界とコミュニケーションしている/Cerrito Azul交流5日目

Cerrito Azul交流5日目。今日は「糸巻き」と、新たに「糸紡ぎ」を行った。

 

昨日の糸紡ぎリサーチ後、どうしても糸紡ぎをしてみたくなったことを相談すると、ユキさんがご自身のアトリエに保管してあったアルパカの原毛を提供してくださった。感謝の気持ちを伝え、ホームステイ先にアルパカの原毛を持ち帰ると、家主のチエロおばあちゃんが、なんと糸紡ぎができることが発覚!これは何か良い流れを感じる。

 

さらに、一連の事情を説明すると、チエロおばあちゃんもCerrito Azulで一緒にアクテビィティに参加してくださることになった。

 

こうして、「糸巻き」に続いて「糸紡ぎ」が、交流先施設Cerrito Azulでの新たなアクテビィティに加わった。

 

今日からは広場のある施設で糸にまつわるアクテビィティを行うことになり、5分ほど皆で歩いて移動。

 

歩いているとエディソンが、すぅーっと手を握ってきた。エディソンは普段、手を叩いたり、飛び跳ねたり、なかなか落ち着かないタイプ。なぜ自分の手を握ってきたかは分からないが、握りたかったのか、外を歩いて移動するのが不安だったのか。手をつないで歩いていると、普段に比べてもすっかり落ち着いているようだった。

 

エディソンの手は、身長に比べて以外と大きくて、しっかりとしていた。

 

広場に着くと、まずは糸巻き。2グループに分かれて順調に糸巻きをしていった。広場という場所性か皆気持ちが良さそうに見えた。マルセロが巻いた糸玉は今日も卵型になった。アンデス文明のとある村の遺跡から発掘される糸玉は全て卵型なのだそうだ。

 

マルセロの手と糸が出会うことで、この形が生まれる。

 

続いて、アルパカの原毛を机に広げ、糸紡ぎをしてみた。実は糸紡ぎをする前に、原毛についた草や土を、繊維を広げながら取り除く作業がある。今日は主にこれを行った。アルパカの原毛を両手で引っ張って広げるアクテビィティをしていると、レナトが手に取ったアルパカの毛を頬に当て、ぼっーとしている瞬間に出会った。彼はその毛がアルパカであることは知らない。

 

レナトの手がアルパカのぬくもりを感じて、頬にあてたくなったのだ。

 

手を握ることで心を落ち着かせるエディソンの手。

アンデスの遺跡と同じ卵型の糸玉を巻くマルセロの手。

アルパカのぬくもりを感じ頬にあてたレナトの手。

 

その手で何かに触れることで、穏やかな気持ちを感じることができる。

その手で何かに触れることで、遠い誰かを感じることができる。

その手で何かに触れることで、命のぬくもりを感じることができる。

 

手はこの世界とコミュニケーションしている。手は自分と世界をつないでいる。

何に触れ、何をつかみ生きてきたのか、手はその人を表しているようだ。

この手が持つ可能性をもっと信じてみたいと思う。

 

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エディソンが手を握ってきた。

 

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マルセロの手は卵型の糸玉を巻く。

 

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チエロおばあちゃんも加わって、みんなで糸巻き。

 

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アルパカの原毛とプシュカ(糸紡ぎの道具)。

 

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アルパカのぬくもりを感じるレナトの手。