障害者支援施設/Cerrito Azulのはじまり

今日の午前中はCerrito Azulで授業見学と今後の交流内容とスケジュールについて打合せ。午後からは、

昨日と同様にカトリカ大学/Pontificia Universidad Catolica del Peruでアンデス織物ワークショップの経巻き組織講習に参加。夕方からは展示会場となる美術館/Centro Cultural de Bellas Artesで設営スケジュールの確認等、打合せを行った。

 

Cerrito Azulでの打合せの際、施設長のマリエッラからこの施設のはじまりについて話を聞く機会があった。Cerrito Azulは今年で25周年を迎える。そう、ちょうど25年ほど前の話である。

 

マリエッラとホルヘ、2人の心理学者の夫婦には子供ができなかった。ある日、2人のところに3才の子供が連れられてきた。名前はGiancarlo(ジョアンカルロ)。その子は自閉症だった。2人にとって自閉症との初めての出会いだった。そしてジョアンカルロに興味を持った。そこから、マリエッラとホルヘとジョアンカルロは多くの時間を過ごすようになる。

 

すると、そんな噂を聞きつけたのか、自閉症やそれ以外の障害を抱えた人が、1人、また1人と連れられてくるようになった。中には障害があると勘違いして置いていかれる子もいた。やがて2人の家では入りきれなくなってしまった。一度は広いスペースを借りたが、家賃が高すぎて払いきれずに困っていたら、当初は住民トラブルもあったが、挨拶や道路掃除をして徐々に関係性を築いてきた近隣住民の理解が広がり、家の空きスペースを提供してくれる人が現れた。やがて地元の教会施設の一部も子供たちのために解放された。家2つと教会施設、3つの拠点がある現在のCerrito Azulはこうしてできあがった。もちろんホルヘは現在もマリエッラと共に、縁の下の力持ちとしてCerrito Azulを現場で支えている。

 

ちなみにジョアンカルロは今29才。彼のお父さんは楽器を販売する仕事をしている。その影響なのかジョアンカルロも聴覚に類い稀な能力を持ち、楽器の音を調律する仕事をお父さんの楽器屋さんでしているという。

 

マリエッラとホルヘの2人はCerrito Azulに来ている103人の3〜42才の人たちのことを“子供たち”と呼び、家族のように接している。彼らには様々な障害があり、決して上手にコミュニケーションがとれるわけでもない。それでも、彼らが2人のことを信頼しているというのは、彼らの振る舞いから感じることができる。

 

子供たちの複雑な状況を憂いたのか、自身の半生を振り返ったからなのか、真意は分からないが、マリエッラは「これが、私の向き合うべき人生なの」と涙を流しながら笑顔で話をしてくれた。

 

マリエッラとホルヘにとって、そして子供たちと、それらに関わる人たちにとって、Cerrito Azulは大きな家であり、人生そのものなのである。

 

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今日、どんなアクテビィティをするか写真の中から選びます。目で見るというのが自閉症の人にとって分かりやすいからなのだそうですが、スペイン語が分からない自分にとっても分かりやすく助かります。

 

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今日の日付と、今日やることを書きます。

 

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出席をとります。

 

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今日やることを時系列になるように順番に貼ります。一番上の黄色はこれからやることを貼ります。終わったら剥がして下の箱に入れ、次にやることを貼ります。

 

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2017年8月8日、火曜日。活動:生産。生産するもの:にんにく。ステップ1,皮むき、2,袋詰め、3,シール付け。

 

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にんにくの皮を剥いています。

 

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この人は指先の扱いが丁寧で仕事がきれいでした。

 

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にんにくをスプーンで拾って、ビニールパックに入れます。

 

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にんにくの入ったビニールパックを熱で封して、ラベルを貼って市場で販売します。

 

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今日のCerrito Azulでのランチ。美味しいですが、量が多すぎます(笑)

 

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キッチン及び食堂の風景。光がきれいだなと見上げると窓ではなく、そのまま外とつながってます。雨がほとんど降らないからこそ可能な家のつくりです。