Centro Cultural de Bellas Artes展示設営8日目。今日は会期前の美術館の展覧会場で、交流先の障害者支援施設Cerrito Azulのみんなと一緒にアクティビティを行う2度目の日。なぜ会期前かというと、自閉症の人は新しい場所が苦手なため事前に会場に慣れてもらい、会期がはじまってから一般の人と多く交流する機会をできる限り彼らに無理のない形で設けたいと考えたからだ。
これは、これまで日本、ブラジル、ペルーの自閉症を中心とした施設と交流を重ねてきた自分の体験から言えることなのだが、他者やモノとの向き合い方や考え方といったこれまでの自分の常識をひっくり返すようなTURN的体験をするには、施設のみんなと協働し共に過ごすことが一番なのだ。これまでの自分のやり方で理解できない、コミュニケーションできないアウェイで不安で不自由な状況を受け入れ、一度柔軟になってみて、ぐちゃぐちゃでバラバラになった自分自身を見つめ直すようなところにTURNの面白さがある。
TURNしたいのなら、彼らの中に飛び込んでもらいたい。
ということで、今日、Cerrito Azulのみんなに美術館に来てもらったのだが、あることに気がついた。
彼らは場を起動させるのだ。
展示設営で連日通っている場所なので、それをより感じることができた。彼らが入ってくると、空気感が変わる。エネルギーがあるというか存在感があるというか、モノや空間と響きあっているのを感じるのだ。
その秘密の一つはおそらく〈ふるまい〉にある。我々は美術館という場所でのふるまいを社会常識から刷り込まれている。その結果、どこか窮屈な心身状態で過ごすことになる。それがない彼らは、その場やモノに純粋に向き合うことになる。そうすると、そこにあるモノや空間や場が、活き活きとしてくる。まるで光を与えられたようにその場が輝いて見える。
これは、おそらく対人についても言えることなのだろう。彼らは純粋に自分と向き合ってくれる。
その結果として、彼らといる自分はこんなにも清々しい気分で、活気に満ちている。まるで光を与えられたように。
アレッサンドロが、昨日2㎝ピッチで並べた白糸をがっしりと束ねた。確かに触りたくなるよね(笑)。でもこれが大事なことだと気付かされた。
糸と糸の間に細長く座って、みんなで1つの糸巻きをしてみる。
プシュカに糸を巻いてもらう。みんな結構この所作は好きみたいです。
ケビンは終始満面の笑顔でした。
レナトが巻いたプシュカ。レナトは一定のペースで均等に巻きます。
ケビンが巻いたプシュカ。ケビンは一番楽しそうでした。
マルセロが巻いたプシュカ。マルセロはきっちりと力を入れてきつめに巻きます。
エルネストが巻いたプシュカ。エルネストはやさしくふんわり巻きます。
ホルヘが巻いたプシュカ。ホルヘは手を添えて巻くので真ん中が膨らみます。
アントンが巻いたプシュカ。アントンはゆっくり少しずつ巻きます。
帰りのバスを待つエルネストの太もも。仕事の証です(笑)
美術館の前でバスを待つCerrito Azulのみんな。
バス登場!このバスかっこいい!乗りたい!
みんな乗り込んで1時間離れたホームへと帰っていった。
みんなが帰った後には、巻いてくれたプシュカが残った。1つ1つのプシュカが、それぞれの形をしていて魅力的です。