マラエ(マオリの集会場)生活はじまる

カイコウラ18日目。Shared Lines: Kaikōura Arts Festival開幕の2月16日まで、残すところあと1日。今日はカイコウラでの2度目の引越し日。なんと今日から会期中、そして帰国までの約10日間をマラエ(マラエの集会場)で過ごすことになった。

 

2月6日のワイタンギデーの時は、一般の人たちと一緒にマオリ文化体験をするような形だったが、今回はShared Lines: Kaikōura Arts Festivalに関わるアーティスト、スタッフ、地元の協力者といった関係者を正式に迎え入れる儀式が行われた。

 

儀式自体は2月6日の日記に書いた内容と同じなのだが、ファレヌイ(内側に部族の歴史や伝説の彫刻が施された集会所で内部撮影禁止)というマラエの中で最も重要な集会所に入ってから、1つ1つの彫刻の意味やマオリの思想についての説明が非常に丁寧に行われた。

 

その間、説明してくれた恰幅のよいマオリ男性は、我々を長椅子に座らせたあと、自身は一度も座ることなく、説明を終えた。その後、話を聞くと、ここで座らないというのも相手に対する尊敬の意思の現れなのだと言う。確かにマオリの人たちはマオリの言葉で自己紹介や歌を歌う時は決まってちゃんと立ち上がって、その場や、そこにいる人と向き合って表現をしていた。大事なことはちゃんと立って話をするところは日本人の感覚に似ている。

 

そして、人や場所、モノやコト、自然や動物など様々なものに対して、尊敬の念を持つことを大切にしている。これも八百万の神ではないが、日本人が大切にしている感覚と重なる。ニュージーランドの人が言っていたのだが、彼らはアメリカ人やオーストラリア人がいると、ちょっとゴリゴリした話し方や身振り手振りと言った雰囲気で、すぐに見分けがつくのだそうだ。我々日本人が韓国や中国の人たちをすぐに見分けられるのと同じ感じなのだろう。アメリカやオーストリアに比べるとニュージーランドの人はどこか穏やかな雰囲気と、日本人にとっては心地よい人への気遣いや距離感がある。こういった背景にはマオリ文化が強く影響しているのだろうなと想像した。

 

そして、今日から宿泊するスペースはなんとそのファレヌイだと言うのだから、これもまた貴重な体験である。

 

夜、ファレヌイで横になると、見渡す限りの天井や壁に、ここタカハンガ部族の歴史や伝説の彫刻がビッシリと施されている空間を向き合う。部族の歴史や伝説、先祖たちに抱かれて眠るような不思議な感覚になる。あえて例えるならば、立派な仏間で寝ているような感じだろうか。もうちょっと言うと仏壇の中に寝ているような感じとも言える。

迎えいれてもらったのだと、、、背筋を正して眠る。

 

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マラエの敷地への入り口です。

 

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鼻と鼻を合わせる「ホギ」というマオリ特有の挨拶。ホギを終える時には受け入れてもらった感覚になります。

 

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今日からここに住みます。

 

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ファレヌイ(内側に部族の歴史や伝説の彫刻が施された集会所で内部撮影禁止)というマラエの中で最も重要な集会所。屋根のラインが両腕を広げているイメージなのだそうです。

 

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マラエから海を見つめるマオリの神様。

 

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クジラのようなマオリの神様。

 

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鳥のようなマオリの神様。

 

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畑で野菜を育てています。

 

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先日お昼を買いに行った寿司ショップのジュリさんが編みに来てくれました。道で会って挨拶を交わす知り合いがだんだん増えてきています。