柔らかい関係性

そらあみ20日目。今日は17人で編んだ。日曜日ということもあり、様々な人が編みに来てくれた。地域おこし協力隊二次選考対象の方々。学校がお休みで来てくれた氷見高校の方々。隣りは石川県金沢市内からフキノトウを友人の山に収穫に来た帰りの親子。東京からの観光客。そして、編むという日常を、日々つないでくださる地元氷見の方々。

 

「はじまりますよ〜」とか、「では皆さん網を編みましょう」とか、そういった、いかにもレクチャーやワークショップにありがちな雰囲気は、ここにはない。日常の中で網を編んでいる。

 

だいたい開始時間の13時より前の12時40分くらいになると、地元のおいちゃん達がやってくる。かれらが大抵一番乗り。挨拶を交わし、世間話を少ししたら、「おお。ここや、ここや。昨日の間違えとったとこ」なんてニコニコしながら、おもむろに網につき、自然とはじまる。

 

初めて網を編む地元のおばちゃんや高校生が来ても、誰かが誰かに編み方を教えている。空間には“氷見弁”が行き交っている。形容しがたいので、この日記を読んだ人には是非一度来てもらいたいが、なんとも温かい言葉に感じる。なんかこう、チャーミングな言葉なのだ。

 

金沢から来たお母さんの話が印象に残っている。

 

お母さん「私は田舎で育ったのですが、小さい頃、季節季節で、よもぎ餅をつくるとか、梅を漬けるとか、

そういった細々した手仕事を近所の人たちと集まって、おしゃべりしながらやっていたことを思い出しました。一緒に手仕事をするって、柔らかい関係性をつくってくれるんだなぁと。」

 

餅をついたり、障子を貼ったり、網を編むことも1つだが、人が寄って手仕事をする時に生まれる雰囲気、

お母さんの言葉でいう「柔らかい関係性」は、目に見える成果物だけではなく、だれもがそこにいられる懐の大きな場づくりとして、今という時代を健やかに豊かに生きる栄養になるように感じている。

 

そういった意味では、氷見は栄養満点の土地に感じる。

 

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氷見でも梅が咲きました。

 

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寒餅(かんもち)。北陸の郷土食。極寒の時期に餅を自然乾燥させた保存食。

 

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氷見高校の学生が同級生を連れて、もう一度編みにきれくれました。

 

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ほんとうに楽しそうに編みつないでいく。

 

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柔らかい関係性がひろがる時間。