くすかき初日。松葉ほうきづくり。

くすかき初日。今日は「平成二十八年 第七回 くすかき-太宰府天満宮-」の初日。くすかき初日の恒例行事は〈松葉ほうきつくり〉。“今年の樟の落ち葉と向き合うため”の、“今年の松葉ほうきをつくる”ところから、くすかきがはじまる。

 

太宰府天満宮の松葉ほうきを年間200〜300本制作されている職人の原口葵氏をお招きして、原口さんの指導の元、それぞれに自分で自分の松葉ほうきをつくる。原口さんと会うのもちょうど1年ぶり。松葉ほうきを作って63年。その手さばきは、もはや職人の域を超え、達人に見える。部材になった竹を見ただけで、根元に近いかなど、どの部位か分かるという。

 

今年、くすかきは7回目を迎える。これまで基本的には毎年松葉ほうきをつくってきた。少しは上達したいものだが、一年に一度だけとなると、なかなか思い通りに上手くはならない。

 

つくる前は、いろいろなイメージで盛り上がる。

 

「この部分が地面に着くから、もうちょっと全体の扇の形はもっと反っていた方がよいはずだよね」

「柄の部分をこうもって動かすから、その角度からすると、こんな形になるとよいよね」

 

なんて具合に、理想の松葉ほうきについて一頻り語ってから、自分の理想に近づけようと懸命につくるのだが、、、。まぁ、これが難しい。きれいに扇型につくるのだけでも精一杯で、反りがどうのとか、角度がどうのとか、それ以前の問題である(笑)。

 

それでも、みんなでワイワイとくすかきについて、樟の木について話をしながら、松葉ほうきをつくるのは楽しいし、何より、出来上がった時の充実感がよい。

 

多少形が不恰好でも、この自分のつくった松葉ほうきで、今年は頑張るぞ!という気分になり、気持ちをあらたにするのだ。

 

参加した小学3年生のえいじくんは自分の松葉ほうきの柄に、こう記していた。

 

「米 みなと えいじ めざせ40回 くすかきに いく 2016年 くすかき。」

 

くすかきは朝と夕方、週末は樟脳づくりといった感じで、三週間全ての回に出席すると、今年は40回分のハンコが押される計算となる。そこで一番を目指す。小学生の間ではこれが1つの目標にもなっている。

 

五十嵐「ちなみに去年は何回やったっけ?」

えいじくん「10回やった(笑)。でも、ここに書いたけん。やるしかないやろ。…でも、早起き苦手なんよ。おれ、どんなに早く寝ても、早起きできんけん、、。」

 

明日、早朝6時半から、いよいよ、7年目のくすかき、はじまります。

 

どんな物語が待っているのか、今から楽しみです。

 

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朝8時半。朝拝。本殿前の飛梅の若葉が芽吹く頃に、毎年くすかきがはじまります。

 

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太宰府天満宮所有の滞在先である山かげ亭で松葉ほうき職人の原口さんと待ち合わせ。時間ができたのか竹部材のメンテナンスをされていました。息を飲むほどに美しい光景にしばし佇んでいました。

 

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63年つくってきた人と、初めてつくる人。

 

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なかなか職人さんのように上手くはできないけど、みんな懸命に取り組む姿が、とてもよい雰囲気でした。

 

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記念写真を一枚。実はこのバックになっている丸太が、かつて存在した千年樟なのです。

 

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新しい松葉ほうきは若く、青い。