くすかき11日目。朝6時半、快晴。昨日の雨の影響で落葉は多い。日中も半袖になるほど気温が上がったため、たくさんの落葉があった。
そして今日は、太宰府小学校へ〈くすかき〉のプレゼンに行ってきた。今シーズン最大のトピックと言ってもよい出来事である。きっかけは〈くすかき〉に毎年参加している小学校6年生の米湊咲希さん、松大路信昌くん、天賀來星くんの3人が、もっと参加者を増やしたいと思い、校長先生に直接交渉し全校生徒向けに30分間〈くすかき〉を紹介する機会をつくってくれたことにある。彼らが自分で考えて判断し行動したことにとても感動した。
一昨々日、校長先生にご挨拶に行った。久々の校長室。いくつになっても校長室というものは、少し緊張するものである(笑)。校長先生はいろんな話をしてくれた。太宰府小学校は創立明治7年で、この春143回目の入学式を迎えた歴史ある小学校であるという話。実はバードウォッチングが好きで、樟には「コノハズク」というフクロウの仲間が巣を作り、夜に鳴き声が聞こえる話。などなど、そんな中でも印象に残ったのが、太宰府小の教育目的は「自分で考え行動できる、太宰府が大好きな子どもの育成」というものだった。彼らが〈くすかき〉を全校生徒向けに紹介したいと考え行動したことは、まさにこの教育目的と重なったので、校長先生はOKしてくれたのだそうだ。
という経緯があって、本日13時、放送室から各教室の全校生徒向けに、約30分間くすかきを紹介するテレビ放送を行った。
出演予定だった松大路信昌くん他2人が直前にインフルエンザにかかり、急遽代役に入ってもらったり、五十嵐がDVDを山かげ亭に忘れ、サポートに来てくれていた人に全速力でDVDを取りに行ってもらったり、といったハプニングもあり、番組構成を変えたり、映像が届くまでトークでつないだり、本当のテレビの生放送のような緊張感が現場に生まれた(笑)。
そんな中、一番印象的だったのは、カメラの前でセリフを言う時のみんなの緊張した表情とその内容である。普段、くすかきの現場では、最終日の〈くすのかきあげ〉くらいでしか、見ることのできない、なかなか引き締まった良い顔を見ることができた。そして、緊張した現場では、焦るのか、ニヤけるのか、堂々とするのか、といった感じで、一人一人をよく知る良い機会になった。
セリフ内容に関しては、それぞれに、自分の言葉でくすかきの魅力を伝えてもらった。くすかきについて、言葉で説明するのは、大人にだって難しい。しかし、皆、ちゃんと自分で考えた自分の言葉で、その魅力を表現していた。
「約一ヶ月間樟の葉を集めて、昔に存在した樟の木を想像する風景を最終日につくる行事です。」
「日々のくすかきでは、くすかきカードに葉っぱを集める楽しみがあります。」
「くすのこうたきでは、薪割りをしたり、焼き芋をしたりして楽しいです。」
「早起きすると、健康に良いし、もっと早起きして、はじまる前にみんなと遊ぶのが楽しいです。」
「他の小学校に友だちができました。」
「樟の葉っぱにいろんな種類があることを知りました。」
「くすかきの休憩時間にみんなと独楽(こま)をしたり、正月をしたりするのが楽しいです。」
といった具合の内容だったが、みんなの魅力的な言葉をここでテキストにするのは難しいものである。
あいだに、くすかきDVDの映像を見てもらい、約30分の放送を終えた時に流れた、ほっとした空気感はなんともよかった。そしてどれくらい緊張感があったかが分かった。ほっぺが紅潮していたり、汗をかいていたり、自分も額から汗が流れていた(笑)。
自分の言葉で〈くすかき〉の魅力を他者に伝えること。その大仕事を、自分で考え行動し、やってのけた小学生たちに心から感服する。自分が小学生の頃にはとても想像できない行動力と表現力である。
放送を見てくれた他の小学生たちに何が伝わったのかは分かりづらいが、放送した側としては、くすかきには、それぞれにいろいろな楽しみ方があるということを再確認することができた。
そして、小さい友人たちを誇らしく思った。
さっそく夕方のくすかきにたくさん人が来るかな?なんて期待したが、いつものメンバー、、、。すぐに結果が出るものでもないか、、、。
それでも、みんなから反応を聞くと「行ってみようかな〜」とか「家が遠いからな〜」といった声はあったそうだ。今回、太宰府小にくすかきが初めて伝わったという事実は大きい。
彼らの情熱を感じ、一人でも参加者が増えたのなら、申し分ない。
昨日の雨の影響で、落葉は多かった。
掻き山も徐々に大きくなっております。
太宰府小学校の入り口には、大きな樟が立っています。
放送を見る太宰府小学校のクラス。
普段見れない緊張した表情が良い。
待ってまーす!
夕方のくすかき。落葉は多かった。
頑張ってます。
この季節だけ見られる、回廊と樟と空、3つの色の関係。