くすかき二十日目。6:30〜朝のくすかきは大人16名、子供9名、合計25名の参加。空気がひんやりとして凛とした朝。落葉は落ち着いていた。
誰かが言う「掻き山はもうこれ以上は高くはならんちゃないと?」
最初、掻き山は標高30センチもなかったが、三週間かけて毎朝落ち葉を足して、ここまで大きくなった。標高130センチくらいになっただろうか。ここ数日は、上へ上へと葉を乗せるがサラサラと斜面を流れていく。横へは広がるが高さを出そうとすると、重力と葉っぱの摩擦の関係で、もしかしたら樟の落葉で山をつくったら、これくらいが限界なのかもしれない。とても一人ではここまで大きな葉っぱの山はつくれない。
9:00〜12:00は、鬼すべ堂で水蒸気蒸留装置の解体と磨きを行った。今年は安定して樟脳を収穫することができた。蒸留装置の管を外し、窯を解体し、装置を磨く。ドラム缶を磨く。窯の穴を埋める。煙突のススをとる。道具も磨く。元あった鬼すべ堂の姿に戻るには、すべてのものを磨く。最後は地面も磨くように整えて完了。とても一人の力ではここまで短時間で成し得ない。
14:00〜17:00は、山かげ亭で、くすかき奉加帳(一口2000円の寄付制度)のお礼の品である芳樟袋と樟香舟の制作を行った。芳樟袋は、麻袋に樟葉を入れて、刺繍糸で口を閉じ、タグを結びつける。樟香舟は樟脳の粉を薬包紙に包んで、箱型に折った紙にパッケージする。たくさんの方の寄付で成立している くすかきは、たくさんの人へと感謝の気持ちを、太宰府の春の香りに乗せて届けるお礼の品が必要となる。たくさんの人が一緒に作ってくれ、本日やっと目標としていた制作数の完了を迎えた。今日は多くの人が集ってくれたおかげでいっきに完成を迎えることができた。
19:30〜23:00は、山かげ亭で、くす鍋会を行った。明後日くすかき最終日に行われる「くすのかきあげ」の当番長を決めと、当日の流れを決める会議をして、その後鍋を囲むのが目的。くすかきは中学生以上は大人として扱う。今年の会議には3人の中学生の姿があり、彼らの意見ももちろん反映され、くすのかきあげの骨組みが出来あがった。みんなが集うから出てくるアイデアがある。
掻き山、蒸留装置解体、芳樟袋と樟香舟制作、くす鍋会。少しずつ人が入れ替わりながら、それぞれに完成を迎えていった。多くの人の手と想いで、このくすかきが成立しているということを感じた日となった。
樟の葉の色が三週間前とまったく違う。
これが最大サイズ?
水蒸気蒸留装置を磨きます。
羽釜に溜まった樟の葉エキス。
芳樟袋と樟香舟をみんなで制作中です。
タグを結びつけます。
薬包紙に包んだ樟脳を、折り紙して作った紙のパッケージに封入します。
完成!!!
くす鍋会の様子。