くすかき五日目「若葉が芽吹く時」

くすかき五日目。朝のくすかきには大人16人、子供11人の合計27人が集った。境内には集った人出に十分な落葉があった。昨日は日中気温も上がったので、落葉も本格的にスタートした印象。

 

子供たちも増えてきた。きっと「くすかきはじまったよ〜」という話が兄弟や友人から伝わっていっているのだろう。1年ぶりの子供たちの印象はやはり成長しており、去年は遊んでばかりいた人たちも黙々と樟の葉に向き合っていたりする光景に、しばしば驚かされる。

 

樟の木は、「ゆずり葉」と呼ばれる。若葉が芽吹くと、それに押されるように古い葉が落ちてくる。落葉があるということは若葉の芽吹きを意味している。ちょうど今から3週間ほどが、若葉が芽吹く時なのである。

 

くすかきを一緒にやっている大人たちは、こんな話をする。

 

「今年はだれの年になるかね?」

 

くすかきをしていると、会期中に急成長を遂げる人がいる。3週間毎朝一緒にくすかきをしているから、その成長の変化に気がつくことができる。成長のしかたはそれぞれだが、なんというか意志がしっかりとするような成長のイメージ。それは子供に多い。

 

誰かの成長に立ち会うことほど感動的なものはない。それを楽しみにしている人も多い。会期のはじめに兆しを感じる人もいたりするのでちょっと期待してしまったりするのだが、もちろんその通りになるわけでもない。

 

それはまるで、樟の若葉が芽吹く時のように、一気に開くのだ。

 

最終日のくすのかきあげでは、そんな芽吹きを迎えた人が、船当番となり、大樟香舟に乗せた今年の香りを天へと届ける役を担う。

 

もちろん、子供限定ではなく、大人にだって、芽吹きのチャンスはある。

 

今年はだれの年になるのか、楽しみである。

 

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朝、自分のほうきを探す。

 

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広い境内に樟の葉の波。

 

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人が増え、くすかきらしくなってきた。

 

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一人一人の印象が去年と明らかに違う。

 

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樟の木もその成長を見守っているかのようである。

 

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芳樟袋に入れる葉っぱを選定中。

 

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少し赤くなって落葉します。赤さや色味や模様は木によって違います。

 

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日中の山かげ亭の風景。芳樟袋を入れる包み紙を準備中。

 

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明日から、案内所や宝物殿にて芳樟袋の販売がスタートします。太宰府の春の香りを全国に届けます。売り上げはくすかきの運営資金になります。