明日から3日間、東京都町田市にある「クラフト工房 La Mano(ラマノ)」に行くことになった。クラフト工房 La Manoは、一般就労が困難な人たちが、生き生きと働ける場として1992年に設立された染・織・刺繍・アートなどのクラフト工房。天然素材を使った織り物などを販売する展示には、遠方から足を運ぶファンも多数。ちなみにLa Manoとは、スペイン語で「手」を意味する。http://www.la-mano.jp
話のはじまりは、アーツカウンシル東京からお声がけいただき、「TURN(ターン)」に関わってみないか?というものであった。
「TURN」とはなにか?以下、アーツカウンシル東京のTURNフェス開催概要より抜粋。
《アーツカウンシル東京では、世界的な芸術文化都市東京として、芸術文化の創造・発信を推進し、東京の魅力を高める多様な事業を展開しています。その中核事業の一つとして、2015年度より、2020年東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムの先導的役割を果たす、リーディング・プロジェクトを東京都とともに実施します。
リーディング・プロジェクトのひとつである「TURN(ターン)」は、異なる背景を持った人々が関わり合い、様々な「個」の出会いと表現を生み出すアートプログラム。初年度となる2015年度は、造形及び身体表現、多様性に関する対話を含めた複合的な内容を盛り込み、福祉的な支援を必要とする人たちを含む一般市民が参加できるプログラムを目指します。具体的には、アーティストと福祉施設・コミュニティとの交流企画を基軸に据えた「TURNフェス」を実施。また、2年目(2016年度)には、多様な人々がアートを通じて交流する通年の活動の場「TURNセンター」のモデル事業を開始します。さらに、活動成果を紹介する第2回目のTURNフェスも実施予定です。》
というもの。
近頃、各地での活動を通して、我々の身体の中に眠る「海のDNAの記憶」といったことに関心があった。我々人類を含む生物の進化の過程をさかのぼると、生命のはじまりは海にあるという。陸に上がりいつしか忘れてしまった海のDNAの記憶といった部分を揺さぶり、もしくはスイッチを入れることで、閉塞感たっぷりの現代社会に対して、経済第一優先としたハイパー消費社会的な豊かさではなく、生まれてから死ぬまでの限られた時間の中で、心身ともに幸せにこの星で生きる方法を見出すことはできないだろうか?生きることに対する新たな価値観や視点を持つことはできないだろうか?と考えていた。
TURNの話を聞いているうちに、福祉的な支援を必要とする人たちは、そうでない人たちに比べて、より素直というか、本能的な感性があるように思え、「海のDNAの記憶」に近い存在なのではないか、何かヒントがあるのではないかと考えた。
そんなことを考えていたら「内なる海をさがして」という言葉が浮かび、自分なりの今回の仕事のテーマに据えてみることにした。
こうして、自分は参加アーティストの1人としてTURNフェスに関わることを決めた。
様々な天然染料。
「すくも」という染料。藍の葉を乾燥させたもの。
藍染めのグラデーション。
「昆虫ダンス」という作品シリーズ。La Manoには、染め・織り・絞り・アトリエというセクションがある。
他のメンバーの方の作品。整理され保管されている。
染色工程途中で水洗いされている鯉のぼり。
藍甕で染色中。
藍甕の表面。美しい。まるで宇宙を覗いているようだ。
天然染料で染められた糸。
綿花を育てている。紡いで糸にする。
蓼藍(たであい)を育てている。藍染めの染料になる。奥のピンクの花は蓼藍の花。
野菜も育てている畑。地元ボランティアの方々が、自由に手入れをしている。
鯉のぼりを茜で染めている。
La Manoの玄関。藍染めでつくられた暖簾(のれん)が良い雰囲気。
鯉のぼりが玄関に掲げてある。これもLa Manoの商品。
染色された鯉のぼりの開きがたくさん干されていた。