住民説明会。瀬戸芸とは?

沙弥島滞在6日目。今日は、瀬戸内国際芸術祭2016開催にあたって、〈春会期:3月20日(日)〜4月17日(日)29日間〉の参加となる沙弥島の公民館にて、住民に向けての現地説明会が行われた。

 

瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクターである北川フラムさん。坂出市長の綾宏さん。香川県庁職員、坂出市役所職員の瀬戸芸担当者などなど、島の方々も多く集まったので、沙弥島公民館は満員となった。

 

今年、自分は〈春会期の沙弥島〉と〈秋会期の本島:10月8日(土)〜11月6日(日)30日間〉と2つの会期で参加するのだが、まずは、春会期の沙弥島がプロジェクトの成功を左右する重要なスタートとなることは間違いない。住民参加型のアートプロジェクトである〈そらあみ〉は、島のみなさんの協力なくしては成立しない。当然自分も同席させていただき、前回の芸術祭のお礼と、今回のプランを伝え、再びの参加協力のお願いをさせてもらった。

 

瀬戸内国際芸術祭2016の全体プランを説明するフラムさんの言葉が印象に残っている。

 

まず、日本三景である「宮城県中部の松島」「京都府北部の天橋立」「広島県南西部の厳島(宮島)」の写真を出して、日本人にとって美を見いだす感性は、こういった海があり、また同時に深い森のある景観にあると説明。

 

次に、海に突き出た桟橋の風景写真を出して、「これは世界中に何万とある港の風景」と話し…。次にその桟橋の上に草間彌生のアート作品のかぼちゃがポンっと乗った写真を出して「こうしてかぼちゃが置かれると、ここが瀬戸内海だということがわかる」。

 

続けて、日本三景のような場所には、必ず寺社仏閣があり、それを介して、あれらの景観から神を感じていた。我々の現代の暮らしは、そういったものから少し離れてしまっているが、瀬戸芸では、寺社仏閣の代わりにアート作品を通じて、もう一度、美しい瀬戸内海の魅力を再認識しようというものである。

 

故に、作品の背景にある、瀬戸内の美しくも厳しい自然と、それに向き合って命をつないできた島の暮らしや風習を、アート作品をきっかけに出会うという、新しい芸術のあり方として、「芸術祭」という日本独自のスタイルが世界から注目されている。

 

それを体験しに、日本中、世界中から人が集い、前回は全体で100万人、1ヶ月間だけの開催であった沙弥島でも島に77,000人の人が訪れた。と説明。

 

続けて自分は「あれから3年が経ちました。網を仕立て直すように、〈そらあみ〉を皆で編んで新調し、空に掲げ、3年に一度の瀬戸内海の芸術の祭りである〈瀬戸内国際芸術祭〉のはじまりを告げる作品にしましょう」と呼びかけた。

 

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土地への入りかた。まずは、ご挨拶からはじまります。フラムさんとも久々の再会でした。