くすかき二十二日目。くすかき最終日。朝6時半、境内に過去最高の80名の掻き手が集い、静寂に包まれた天神広場に樟の木漏れ日が注ぐ中、令和6年〈くすのかきあげ〉を無事に納めることができました。昨年は雨だったので、2年ぶりに気持ちの良い最終日となりました。
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朝5時、天神広場集合。暗い中、皆で落ち葉を移動。6時半、当日参加者含め、掻き手全員集合。7時、〈くすのかきあげ〉開始。9時、〈くすかき終了奉告祭〉催行。9時半、記念撮影と締めの挨拶。10時、落葉と柵の撤去。12時半、直会昼の部(15時、表彰式)。19時、直会夜の部(20時、スライドショー。20時半、上映会)。
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今年度の〈くすかき〉も無事に会期(令和6年3月23日〜4月13日)を終えることができました。15年という年を重ね 〈くすかき〉は太宰府の季節の風物詩と言っていただけるようになりました。
今年のくすかきを一言で振り返るなら「かわる」。まず、樟の木が変り年でした。通常、葉 枝 花 実の順で落ちてくるのですが、今年は葉と一緒に実が落ちました。15年間で初めてのことで、急変する自然環境の影響を意識しました。また、全体的に落ち葉のサイズが小さく、色味も薄い印象でした。毎年、観察を続けることで見えてくることがあります。
そして、担う役割が代わる年となりました。私が都合上、会期中10日ほど太宰府を離れた際、関係者がそれぞれに役割を担うことで、新しい〈くすかき〉の形が生まれました。〈日々のくすかき〉の集大成が、その年の最終日〈くすのかきあげ〉なので、当然その中での役割も、代替りしたような印象がありました。この先の50年、100年を想像すると、継承の第一歩として、記念すべき年となりました。
朝6時半からの〈日々のくすかき〉には連日30〜40名の参加があり、会期を通じての述べ参加人数は944名となりました。また、天神広場での〈日々のくすかき〉や鬼すべ堂での〈くすのこうたき〉だけでなく、山かげ亭での〈奉加帳のお礼の品の制作〉もプロジェクトを構成する重要な役割を担っており、中には制作のみの参加という方もおり、〈くすかき〉に関わる新しい入口として機能する様子に可能性を見出しました。
そして今年から新たな協力協賛が2つ加わってくれました。「森をツナグ」は疲れた心身の整体、「株式会社コリッコ」は雨の朝の新しい過ごし方を、それぞれご提供くださいました。その人らしく、その企業らしく、〈くすかき〉と関わる形を互いに楽しみながら育んでいく仲間がまた増えた年でもありました。
こうして、今年の春を振り返ると、人と人の関わりの成長とともに、〈くすかき〉というアートプロジェクトが、この先の10年、50年とじわじわと育っていく姿をイメージした年となりました。
〈くすかき〉
新芽に押されて落ちてくる
新芽の数だけ落ちてくる
千年樟のその場所で
千年分を掻いてみる
千年樟のその場所で
千年樟を描いてみる
去年が今年に生え変わる
その瞬間に落ちてくる
新芽に押されて朝がくる
新芽の数だけ朝がくる
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第15回「くすかき-太宰府天満宮-」
[会期]令和6年 3月23日(土)〜4月13日(土)
[会場]太宰府天満宮 境内
[行事]松葉ほうきつくり・くすかき成功祈願祭:会期初日 3月23日 開催
日々のくすかき:期間中 朝6時半より 土日のみ夕方16時からも 開催
くすのこうたき:期間中 毎週土日 開催
くすのかきあげ・くすかき終了奉告祭:会期最終日 4月15日 開催
[参加人数]893名
[奉加帳賛同者]175名/寄付総額440,000円
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くすのかきあげ各当番
[掻き出し]杉本八海
[水当番]五十嵐靖晃 黒野瑞姫
[新芽当番長]江藤実花
[赤ほうき]さくら/納戸繭子 江藤応樹 木下光之助
つつじ/納戸慶蔵 松村真紀子 石田美羽
ふじ/井原功介 飯冨彰明 岸摩衣華
[舟当番]納戸瑠輔
[門当番]佐藤信二
[太鼓]陽山英樹
[呼出]大里武史
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[特別協力]太宰府天満宮
[協力・協賛]株式会社中川政七商店/株式会社梅園菓子処/福田屋染物店/寿し栄/ありがとう農園/
森をツナグ/株式会社コリッコ/油機エンジニアリング株式会社//株式会社ムーンスター
[企画・監修]五十嵐靖晃
[プロジェクトマネジメント]米津いつか
[デザイン]河村美季
[映像]仲信達也
[写真]三迫太郎
[アシスタント]黒野瑞姫
[芳樟袋縫製]納戸繭子
[松葉ほうき制作]原口葵
[デジタルアーカイブ]須之内元洋
[スペシャルサンクス]太宰府のみなさん
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