深緑と黄緑のモザイク状になった九州の春山

太宰府滞在31日目。くすかき17日目。くもり。くすかきも残すところ、今日を含めてあと6日。

 

今日は熊本県葦北郡津奈木町の「つなぎ美術館」で、別プロジェクト(赤崎水曜日郵便局:ホームページ→http://akasaki-wed-post.jp)の展示設営を行うため、昨夜移動し、日中は津奈木町で動いて、夜に再び太宰府までもどってきた。九州新幹線ができたので、博多⇔熊本間は新幹線で30分くらいなのだが、全体の太宰府⇔津奈木間は約2時間といったところである。

 

道中、新幹線の車窓から九州の山々を遠くに眺めた。どの山も深緑と黄緑のモザイク状になっている。黄緑に見える部分の多くは樟の木だろう。山の色がこんなに複雑に見えるのもまた、春の九州独特の風景である。

 

きっとあの山の地面も樟の葉でいっぱいになっているだろうと想像を巡らした。

 

ふと思う、太宰府天満宮の樟の葉は、毎日きれいに掻かれて無くなっている。ところが手つかずの山の樟の葉は、そのまま根のまわりに積もっていく。そう考えると、自然の世界では樟の木にとって一番の栄養は自らが落とした樟の葉である。では待てよ、、、。お宮の樟の木は栄養が足りてないのではないのだろうか?どうなのだろう?樟の葉は土に返るまで5年かかると言われている。葉が硬く、油分が多く、また虫除け効果があるからだそうだ。

 

でも、自然界では、そんな土に返りづらい葉っぱこそが、樟の木にとって最も良い関係性なのだと考えるのが自然である。

 

今年、くすかきで集めた樟の葉の多くは、太宰府市内で無農薬農業をされている方の畑に行くことが決まった。それでも、境内に落ちる全ての樟の葉のほんの一部でしかない。全ての落ち葉の行き先を考えようとすると、その1つの方法として、境内で落ちて来た樟の葉が、境内の樟の木の栄養となるのが、樟の木にとって1番無理のないことなのかも知れないと考える。

 

今、樟の葉は一部が樟香舟(樟脳)になり、一部が芳樟袋に入って匂い袋となっている。そして今回、畑の栄養になる。

 

いつか全ての樟の葉の行き先ができるようにしたい。言わば、樟の木と葉と土との循環の流れをつくることである

 

山で起きていることを、境内でやろうとしているのだから、これはやはり大変なことである。

 

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モコモコと膨らんでいるように見えるのが樟の木だろう。