北陸の人は働き者

13日目。今日は13人で編んだ。天気は良いが寒く風が冷たい日だった。平日も休日も安定的に10人以上の人が編みに来てくれるので、思っていたより編むペースは早く、高さ3m×幅15mの当初予定していたサイズは編み上がってしまった。糸はまだある。この勢いのままもう1枚同じサイズの網を編もうということになった。

 

初参加の方から参加したきっかけについて少し話を聞くと、「新聞を読んで気になっていて」「駅前のチラシを見て一度網を編んでみたいなぁと思っていたの」「知り合いに面白いって勧められて」といった感じ。

 

しかし、驚くべきは、平日の参加者の多さ、特にリピーターの方の多さである。そして一度参加した人がまたお友達を連れて編みに来てくれるという良い流れができている。中には皆勤賞の方も何人かいる。13時スタートなのだか、12時半くらいから人が集まりはじめ、「こんにちは〜」「きたよ〜」「お〜す」といった挨拶を交わし、自然と編みはじまる。そして16時になると「じゃ。また明日」と帰っていく。中には、「明日、◯◯がなおします」と修復が必要な網の箇所に名札を下げて帰る人もいる。これまでいろんな土地で《そらあみ》をしてきたが、こんなに積極的に楽しんでくれている土地はなかったように思う。氷見の方は決して前に出るようなタイプの方達ではないのだが、それゆえに楽しんでくれているのが分かる。

 

編みながら氷見の人の性格の話になった。

 

おじちゃん「今日の晩ご飯何にしようかな?」

五十嵐「ごはん作るんですか?」

おじちゃん「そう。おれけっこうやるんだよ」「氷見の正月はね。女の人を働かせてはなんないって、男が動いたりするんよ」

五十嵐「氷見の男の人は働き者なんですね」

おばちゃん「んな。女の人も働き者よ。じっとしていらんないんだから」

おじいちゃん「昔から北陸の人は働き者なんや」

おばちゃん「氷見は、ほら遊ぶとこないから(笑)働きながら遊んでるのよ」

五十嵐「それこそ昔は何をして遊んでたんですかね?」

おじちゃん「昔はほれ、あれや、博打や。花札とチンチロリン。チンロリンなんて茶碗とサイコロ3つがあればできたから、漁師なんて船の上で時間ができればやってたよ」

おじちゃん「うちは母ちゃんも花札が好きでね。おれっちが子どもの頃、正月なんか知り合いが集まってね。戸を開けると『ぱん!ぱん!』って札を、こう上から叩き付ける音がしてね。一晩中やってたよ」

おじちゃん「博打もずいぶん前に禁止になったしなぁ。パチンコも飽きるしなぁ」

おばちゃん「だから編むんが、ちょうど良くって毎日来てたりしてね(笑)」

おじちゃん「ほうかもしれんな(笑)」

 

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今日は土曜日。大漁鍋をふるまいます。ヒミングスタッフは料理上手。魚も見事に捌いて美味しく調理してくれます。具材は、今朝の定置網漁であがった、とれたてのタラとイカ。

 

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みんなで食べる時間も大事な時間です。

 

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網は人を寄せる。大漁鍋があると更に人を寄せる。