くすかき十五日目。天候は晴れ。朝日の美しい朝だった。6:30からの〈朝のくすかき〉には大人12名、子供9名。10:00からの〈くすのこうたき〉には大人8名、子供8名。16:00からの〈夕方のくすかき〉には大人9名、子供4名が集った。
会期終了まであと1週間となった。初日に比べれば、掻き山(葉っぱの山)も随分と大きくなった。この掻き山、どうやらその大きさに限界があるのか、ある一定の大きさになると、葉っぱを上から積んでも積んでも、サラサラと斜面を流れていって、そこからなかなか大きくならない。
流れていった葉っぱは裾野を広げる。すると少しだけ高く積めるようになる。理屈としてはそう考えるのだが、それでもやはり、重力の関係なのか、葉っぱのツルツル具合の関係なのか、限界はあるようなのだ。
掻き山のある正方形の柵の中を〈くすかき〉する人は、毎朝、より高く、より美しい形になるよう、最後に掻き山の形を整える。それを任せられているのは、だいたい1人か2人なのだが、最初から決まっているのではなく、会期を通じて本人の意識のあり方で、その役割を担っていくようなのが伝統になりつつある。
この掻き山の形を整える時間が〈朝のくすかき〉最後の工程になるので、道具を片づけたみんなが見ている中で行われるので、自然と会話も弾む。
「だいぶ高くなったねぇ」
「いや、まだ高くできるでしょ」
「いやいや、これが限界でしょ」
「今日はいい形になった」
「ほんとこれするだけで見え方がグッと良くなるからね」
掻き山を整えていた一人の新中学生が言った。
「過去最高目指したいよね。高くなるには、横にもっとガッチリしないと、、、あ!それって俺と一緒やん」
掻き山の成長に、育ち盛りの自らの姿を見出したのだった。
天神広場全体を〈くすかき〉しました。
朝日を背に受ける樟の木。
掻き山はここからあとどれくらい大きくなれるか。落葉も終わりが近づいてきている。
あまりにも朝の光が美しい。
やはり、朝の境内がおすすめです。
〈くすのこうたき〉水蒸気蒸留の火の番も安心して任せられる。
蒸留中は、芳樟袋に葉っぱ詰めを行いました。
午後は薪割りも。初めての人には、みんなが教えてあげていました。
〈夕方のくすかき〉日中、暖かかったので、またたくさん落ちました。
掻き山の成長と青年の成長。