くすかき四日目。今朝の気温は12度。昨日よりさらに暖かい。朝の〈くすかき〉には大人18名、子供10名、合計28名が集った。
話題となるのは、やはり新型コロナウイルス。〈くすかき〉は早朝の屋外ということもあって、「三密(密閉・密集・密接)」ではないものの、世界各地の感染拡大の動きを見ていると刻一刻と状況が悪化していっているのが分かる。東京では不要不急の外出を避けるよう知事から呼びかけが出ている。おそらく福岡も時間の問題なのだろう。
そんな中、太宰府市の全公共施設が4月1日から閉鎖されるという連絡があった。イベント自粛などはないとのことだが、いよいよ雲行きが怪しくなってきた。
それでも樟の葉は落ちてきている。ちゃんと春はきている。千回以上これを繰り返してきた大きな樟の木が目の前にある。この千年のあいだに戦争もあっただろう、地震や津波もあっただろう。樟はそれでも葉を落とし、若葉を芽吹かせ、春を迎えてきた。
コロナウイルスに限らず、天然痘やペストなど、全人類が向き合うウイルスは、いろんな時代に登場している。その都度、人はその時代時代で協力し、できることをして命をつないできた。科学も進化し、行き交う情報スピードも昔とは違う。しかし、人が人であることは変わらず、いつの時代も不安との戦いとなる。不安や恐怖に飲まれると、人は冷静な判断ができなくなり、偏見や差別といった危険な心理状況を作り出す。通常であれば、心に余裕があれば、そんな思考にはならない。人は時に強く、時に弱い存在である。
人の心が不安で揺れ動く、こんな時にこそ〈くすかき〉を通じて、千年ブレない眼差しと、千年先につづく日常を届けたい。その姿を見せたいと思う。だがそれも厳しくなりそうな状況となりつつある。
今朝の落葉は少なめ。
落ち葉が少ないので、広場全体を〈くすかき〉します。
松葉ほうきと、葉っぱと、地面が擦れる音が一定のリズムで静かな境内に響く。それは波音のように聞こえる。
赤味が強い。
太宰府天満宮参道にある案内所にて、〈くすかき手ぬぐい〉と〈くすかき芳樟袋〉を販売中!プロジェクトの運営資金とさせていただきます。
【くすかき手ぬぐい】太宰府天満宮の境内で管理されている全51本の樟の葉を五十嵐が一枚ずつ描いた原画を元に、注染という技法で制作された手ぬぐいが今年も販売中(1200円+税)。今年の色のテーマは常若(とこわか)。千年生きる樟の木が今年も若葉を芽吹かせる様子から、いつまでも若々しい樟の葉の生命力を感じる緑色です。
【くすかき芳樟袋】くすかきで集めた樟の葉を布で包んだ「芳樟袋」。古く平安時代から芳香・防虫剤として使われてきた匂い袋は、毎年人気の品です。時間が経っても手で袋を揉むと再び香りが立ち上がります。(500円+税)
くすかきでは、関連の品の発送も承っております。
以下より詳細ご確認ください。
https://igayasu.com/kusukaki/goods/
滞在先、山かげ亭の桜は満開です。
今年は少し咲くのが遅いようです。