ブラジル15日目。日本代表の第2戦であるギリシャとの試合を応援に行くため日比野さんや柳澤さん達とRecife(レシフェ)からNatal(ナタル)へ。ナタルへのツアーはレシフェ在住の柳澤さんが宿やタクシーの手配から全て準備してくれており安心。柳澤さんに感謝です。
ナタルはレシフェの北にあり400㎞近く離れている。試合は明々後日。まだ時間の余裕はある。ということで、いったん少しだけ南へ、柳澤さんが連れて行きたいというオススメの町「Porto de Galinhas(ポルト デ ガリーニャス)」に一泊することになった。
美しい海に、プール付きのコンドミニアム。まさにリゾート。振り返るとこんな状況は人生初な気がする。水のシャワーしか出ず、風通しが良すぎてほぼ外と同じのため毎晩のように蚊に襲われる漁師の家での数日前の暮らしとのギャップに少々困惑したが、すぐに慣れた。人は順応性が高く、また薄情であると再確認する。どっちの暮らしが良いか?と聞かれると、、、うーん。やはりこっちの方が快適である事実にウソはつけない。とはいえ漁師との暮らしの中にある豊かさもある。もしかしたら両方行っている自分が1番贅沢なのかもしれない、、、などと考える。
昼過ぎに到着したので、一休みして、海を見て周辺を散策し、魚屋で魚を買って夜に焼いて食べたり、ワールドカップの他国の中継を見たりして過ごした。
「Porto de Galinhas(ポルト デ ガリーニャス)」の「Porto」は「港」、「Galinhas」は「鶏(にわとり)」を意味します。その昔、奴隷が売られてくる港だったそうです。検問の際、「船の荷の中身のガサゴソしているのはなんだ?」と聞かれ、「鶏です」と答えていたのが、この土地の名前の由来だそうです。
今日、町を歩いていても、もちろん売られてくる奴隷の姿はありませんが、町中に点在するヤシの木を彫刻したオブジェやお土産物屋さんに並んだ商品の多くは黒い服を着たような鶏をモチーフにしたものがたくさんありました。
奴隷という世界と遠く生きてきた自分には、多少ショッキングな物語でしたが、ある種の負の歴史すら、時間が飲み込み、土地の名前を活かしたお土産物であり名産品に変えて観光地として生きている姿に、逞しさというか、人が生きるということは、こういうことなのだと感じた。
海にはたくさんの船が停泊してある
魚屋さん。鯛です。
おじいさんが2階の窓からハンモックに揺られながら通りを眺めていた。
お土産のニワトリ人形もガラス窓からハンモックに揺られ通りを眺めていた。
通りに置かれた、ヤシの根っこを彫刻したニワトリの像。あちこちにありました。