12日目。今日は14人と編んだ。朝から霙(みぞれ)まじりの雪が降ったり止んだりだったので、編みに来てくれた人から「今日はこんな天気だから少ないかなぁ〜と思ったけど、ずいぶん賑わってるねぇ」との声があった。
そう。賑わっている。地元トークあり、最近のニュースあり、昔話あり、方言講座あり、笑いあり、といった感じで、日々とても良い雰囲気で網が編まれている。さすが定置網の町、氷見である。
編む時間は13時〜16時の3時間。15時になると恒例のお茶の時間となる。
五十嵐「では皆さん、15時になりました。恒例のお茶の時間です。切りのいいところで手を止めてお茶にしましょう!」
おばちゃん「あれ?もうそんな時間かいね。そしたら、ここまで編んで………」
と言いつつも、なかなか皆さんの手は止まらない。
五十嵐「みなさーん!美味しいコーヒーとお茶が入りましたよー」
みなさん「………(編んでいる)」
《そらあみ》の進み具合が気になって見に来てくれた1人の漁師さんが言う。
漁師「こういう時は、漁師はな『おくぞー!』って言うんや。そしたらな、そのままの格好で道具をそのまま下へと置くんや。うちに研修に来たインドネシア人の若いのは一番最初に、この『おくぞー!』を覚えたわ。『やるぞー!』ゆうても聞こえてないフリするからな(笑)」
五十嵐「おくぞー!」
漁師さんとの会話を聞いていた皆さんは、笑いながら道具を置いた。
お茶の時間になってもなかなか手が止まりません。「おくぞー!」
「おくぞー!」で置いた網針とコマ。この2つの道具で網は編みます。