沙弥島滞在14日目。今日は与島でワークショップ。〈そらあみツアー〉ではないので一般参加はなく、島の人と自分たちだけで編む日。13時に与島へ。与島の網は順調に大きくなっている。
与島の〈そらあみ〉制作に参加してくれている方の中に、マー君がいる。マー君は網を編むのは今年が初めて。あまり編むのは得意ではなく、編んでは間違いを見つけ、そこまで解いて戻るというのを繰り返す。それでも、声がとっても大きくてユニークなのでみんなの人気者でもある。
島の人「マー君。また、間違えとるん?」
マー君「そうや。また間違えとる。もどらなアカンわ。ええとこまできよったのに」
島の人「あんた覚えたんちゃうんか(笑)」
マー君「寝たら忘れたわ」
島の人「んじゃもう、先に寝とき(笑)」
マー君「来年までにはバッチリ覚えとるわ」
島の人「あんたな、芸術祭は来年はないんよ(笑)。次編むんはまた、3年後やよ」
マー君「そりゃ、かなわんわ。忘れとる(笑)」
一同大爆笑。といった会話で毎回みんなを和ませてくれる。
正直、これだけ編むのに苦労すると、来たくなくなってもおかしくはないのだが、マー君は毎回編みに来てくれる。自分はそんはマー君のような存在が好きである。実は他の島のワークショップの現場にも毎回、編むのがあまり得意でない人がいる。
網を編むという効率だけ重要視するのであれば、もちろん編むのが早いに越したことはないのだが、編むという場を大切にしたいので、編める人から編めない人までの幅が、その場にはあった方が良いと自分は思っている。そして何より、マー君がいると、会話が弾み、場が明るくなり、みんな笑顔で編むことができる。
島の人「あんたがいてくれると、ほんと助かるわ。楽しゅうて、笑いが止まらんわ」
島の人「なかなか進まんけどな(笑)」
マー君「うるさいわ。これでもだいぶ、ましになったわ(笑)」
島の人「あんた漁師やったら、今日は日当なしやで(笑)」
マー君「漁師やったら、もっと編めとるわ!」
島の人「ほんまや!(笑)」
一同大爆笑。
編むのが得意な人も苦手な人もいるからいいのである。マー君はおそらく、編んでいる時間より、解いている時間の方が長い。編みに来ているというより、解きに来ているとも言える。しかし、マー君の存在は大切なことを気づかせてくれる。
マー君「あ!また一個まちがえた!もどらなあかんわ〜」
与島の駐在さんも編みに来てくれました(笑)。さすが島!自治会長に道で会って「あんたも編まんか!」と誘われたそうです(笑)