北半球の日本が夏なら、南半球のペルーは冬。ライトダウン着るくらいにけっこう寒い。以下、スケジュールいっぱいに動いた今日の1日。
<ペルー国立高等美術学校/BELLAS ARTESでワークショップ見学>
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<天野博物館/MUSEO AMAMOでアンデス染織のリサーチ>
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<障害者支援施設/Cerrito Azulへ挨拶>
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<ホームステイ先Chelo宅へ挨拶、宿泊>
ペルー初日に強く印象に残ったのは、タクシー移動が多かったということもあり、ネゴシエーション(交渉)と交通事情。タクシーにはメーターがなく、乗る時は交渉が必要となる。値段は目的地までの距離だけでなく、混雑する時間帯によって需要と供給のバランスのように変動する。少し離れた場所を言うと運転手が自分の縄張りから離れたくないという理由で断られたりもよくある。相場を知らなければ損をするが、逆にうまく交渉すれば得をすることもできる。このネゴシエーションはタクシーに限ったことではなく、何かにつけて自分の意見を通すには交渉次第で、実現できることの可能性が広がる性質を持った国のようである。なんでも価格やルールが決まっていてあまり考えることもない日本に比べ、少し面倒なところもあるが、そもそも変動したり個人によって違って当たり前の価値というものあり方としては正しいように思う。
そして交通事情に関しては、日本の道路交通法からするとめちゃくちゃな国である。タクシーはもちろん観光バスでもなんでも基本的に競争している。ほとんどウインカーなど出さないし、赤信号でもタイミングが合えば交差点を通過する。二車線の道でも間や端も空いていたら使うので、三車線や四車線になっていたりする。割り込みも隙間とタイミングがあればどんどん入ってくる。クラクションも各車の存在を示すかのように引っ切り無しに鳴っている。とにかく感覚的に運転をするのだ。よくこれで事故がないと逆に関心するくらいである。でもそんなカオスな状況からは南米特有のたくましい活気のようなものも感じる。ルールに飼いならされていない野生性というか、生命力というか、、、。日本にいるとついこの感じを忘れてしまう。
セントロと呼ばれるリマの中心街。大統領官邸の前が広場になっています。
セントロの街の雰囲気。
<ペルー国立高等美術学校/BELLAS ARTESでワークショップ見学>。TURN監修者の日比野さん。この大学の先生であり今回TURNに参加するヘンリーが使う素材“フンコ”を確認中。植物の葦の一種です。
ヘンリーの研究室の学生たちがフンコを編むワークショップをしていました。もともとは編んでカゴや帽子などを作る素材です。
混じって一緒に編み方を習いましたが、編み方よりも言葉が難しく、もはやスペイン語講座のようでした(笑)
ペルー国立高等美術学校/BELLAS ARTESの校舎内も見学。規模は小さいですが、石膏像があったり、東京の芸術大学とよく似ています。写真は彫刻科のアトリエ。屋根がないのがペルーらしい。雨がほとんど降らないから可能なアトリエスタイル。
ペルーの代表料理セビージャ。魚のマリネ。新鮮な魚がなければ作らないそうです。ペルーは山のイメージが強かったですが、太平洋に面する海の国でもあります。ペルーは太平洋の海、アンデス山脈の山、アマゾン源流のジャングルと3つのエリアに分かれるそうです。
街を歩いていると黒い鳥をよく見かけます。カラスかと思ったらコンドルでした。
天野博物館/MUSEO AMAMOでアンデス染織のリサーチへ。天野博物館は、日本人実業家でありアンデス文明研究家の天野芳太郎さんが1964年に設立した博物館。数万点に及ぶ貴重な所蔵品は、当時あまり注目されていなかった文明の発掘と保存に全財産を投じた天野氏の偉大な仕事の成果。地元にとっては当たり前だからこそ、外からの視点はやはり大事だと再確認。
文字を持たなかったアンデス文明。写真の「キープ」と呼ばれるものは、紐の結び目の形で数を表現する。キープはケチュア語で「結び目」を意味する。インカ帝国時代「キープカマヨック」という解読専門家の役人が各地におり、人口、農産物、家畜、武器など資源の統計や、裁判の判例なども記録したそうだ。
結び方が、数を意味する。下り紐が3本のものから2000本近いものまであるそうだ。
首輪でつながれたネコ科動物とペリカンの模様。
絞り染めは日本とどこか似た印象をうける。
今日からチェロさんの家にホームステイさせていただきます。シンプルで可愛らしい部屋。
ホームステイ先のチェロさんは、交流先の障害者支援施設Cerrito Azul施設長のマリエッラさんのお母さんです。
渋滞で到着が遅くなってしまったのに大歓迎をしてくれたCerrito Azul。詩の朗読を聞いています。かつてこれほどまでに歓迎されたことはありません。