くすかき四日目。朝のくすかきには大人16名、子供15名の合計31名が集った。
今年は例年に比べ朝のくすかきの参加者が多い。きっかけは「梅上げ」に参加したことで、これまで出会えていなかった新たな太宰府在住の方たちと出会うことができたからだ。
「梅上げ」とは、初老を迎える男性(40歳)が、厄払いとして太宰府天満宮に梅の木を奉納する行事。午前中に太宰府天満宮でお祓いを受け、太宰府市役所裏の中央公民館へ移動。昼食会後の13時頃、そこから、梅の木を曳いた牛、お囃子、厄年の人たち(今年は85名参加)の順で行列を作って出発し、約3.3Km先の太宰府天満宮まで練り歩きます。道中は、沿道の家々や参道店舗から酒やつまみなどの振る舞いをいただき、祝ってもらい、そのお礼として紅白の餅を沿道の人たちに配りながら進みます。最後、太宰府天満宮に到着したら境内に梅を植樹します。
3.3Kmの道中、振る舞い酒をしてくださる家や店舗の数がとんでもなく多いので、13時に出発してお宮に到着したのは16時頃。約3時間飲み歩くので、到着する頃にはみんなかなり酔っ払っており、途中酩酊し動けなくなってリヤカーで運ばれる人もいたりする(笑)
しかし、不思議なことで参加者85名全員が同級生なので、どこか同窓会のような雰囲気となる。自分は太宰府出身ではないのだけれど、くすかきをきっかけに10年近く太宰府とお付き合いがあったため、同じ歳の友人から誘ってもらい参加させてもらった。お酒の効果もあり、また道中では、くすかきの仲間にもたくさん祝ってもらい、自分が太宰府で育ったような気持ちになるほどだった(笑)
参道には普段通りたくさんの参拝者がいる中、同じ道を梅上げ行事参加者は飲み歩き、みんなに祝われ、なんとも言えない、あたたかな高揚感に包まれる。あんな気分で参道を歩いたのはもちろん初めてだった。
太宰府という土地、地域から祝福される一生で一度だけの日。平たく言えば酔っ払いだらけの行事とも言えるのだが、それらを祝い、許すことができる太宰府という土地の懐の深さと豊かさをあらためて実感した。
ここで知り合った同級生たちや、その子供たちが今年のくすかきには新たに参加してくれている。梅上げをきっかけに同級生に出会って、新しい太宰府の扉が開いた年となった。
いやぁ〜、しかし、楽しい行事だった。話を聞くと100年以上続いているとのこと。続く理由は出たら分かる(笑)。
梅上げは3月17日に行われました。午前中に御本殿にてお祓いを受けた後、お神酒をいただいています。
全員が40歳の厄年の男性です。
沿道の家々から振る舞い酒やおつまみをいただきます。歩いていると次から次へと用意して、待っていてくれています。
参道の店舗も一軒ずつ寄っていくような感じなので、なかなか前に進めないのです。
途中、飲み過ぎで動けなくなった人のためにリヤカーが出動しています(笑)
境内に到着する頃には完全に仕上がっております。
記憶が薄れる中、みんなで植樹した梅の木。
こちらは今朝4月3日の朝のくすかきの風景。この中にも梅上げでの出会いをきっかけに参加してくれている方がいます。
暖かい朝が続いており、落葉も多いので掻き山の大きくなるスピードが例年よりも早いです。
四日目にしてすでに存在感が出てきました。
いつもより早い樟若葉の黄緑と巫女さんの袴の朱色のコントラスト。例年だとこの若葉の色味は四月の中旬以降の感じです。
とはいえ、まだ古い葉もあります。光って見えるのが若葉です。
空の色も今年は青くなるのが早い気がします。
日中、山かげ亭では芳樟袋制作中。樟葉を麻袋に詰めています。