朝6時、キタガワさんとクニさんと三宅島大学マネジャーの猪股さんと、今日までに編み進めた網を持って、4人で“そらあみ”設置場所である阿古漁港の中桟橋へ、電気工事で使用する高所作業車をキタガワさん(電気会社社長)が用意してくれ、高く張られたワイヤーに滑車を設置し、網をつり上げた。編みかけの網は設置空間に対して、まだ小さく感じるが、網が掛けられただけで、中桟橋の見え方がガラリと変わったのが分かった。近くにい漁師さんが言う「なんだこの網は?まだ中途半端じゃねえか」。五十嵐「はい。これから10月21日の完成に向けて編みます。是非ご協力ください」漁師さん「ふーん。そうか」。この場所に設置することに、十分な効果があることが実感できた。三宅島はこれからエビ漁が始まる。三宅島でエビは伊勢エビを意味する。エビ漁で使う網は今回そらあみで編んでいる網と網の目のサイズが似ているようで、漁師さん達はそらあみを見てエビ漁の話をする人が多い。ここ中桟橋は最も網との距離が近く、網の専門家達である漁師さん達が集う場所。皆さんに是非気にしてもらいたい。これからどんな出会いが待っているのか楽しみである。
10時、三宅島大学本校舎(御蔵島会館)にて、そらあみづくり体験講座を実施。10数名の方が来てくださり、思っていたよりも参加者が多く、良い雰囲気で講座が行われた。簡単な自己紹介と、三宅島をきっかけに始まった“そらあみ”が各地で展開したことと、三宅島に帰って来た経緯、作品コンセプトなどを伝え、早速、網づくり体験。そこには網専門のベテラン漁師であるクニさんも来てくれた。クニさんを皆さんに紹介すると少し恥ずかしそうにしていたが、みんなの前でガンガン網を編んで見せてくれ、あまりの手の動きの早さに皆さんしばし見とれるといった、おもしろい時間が流れた。
参加者の中には、以前から漁師さんの網の編み方に興味があったという小学校の社会科の先生がいたり、冬場は外に出れないから、激しい運動ではない、こういったことをみんなでやれるといいといった主婦の方がいたりして、編みながら、島の発信でハンモックやバッグなど商品開発したら良いんじゃない?といった意見も出た。皆さん真剣に網の編み方を覚えようと、覚えた人がまた隣の人に伝えながら、全員が一通り体験し編めるようになった頃には、2時間の講座は残すところあと30分となっていた。
最後は、みんなで中桟橋にお散歩しながら移動し(徒歩5分程度)、空に掲げられた網を眺めた。おお!感嘆の声が上がる。天気も良く、そらあみは気持良さそうに、この土地の風景に入り込んでいた。近づいて行きながら一歩一歩見え方が変わる。そらあみの見え方の面白い点は、網なので斜めから見ると色が濃く存在感があるのに、正面から見ると透けて向こうが見えるという、ないのにあるような、あるのにないような、その土地に馴染みつつも違和感があるような、そんな不思議な存在感にある。
五十嵐「みなさんは、今日の講座で良い編み手となりました。このそらあみを完成させに、是非またこの中桟橋までいらしてください」
朝6時の中桟橋にて、滑車の取り付け作業中
幅は約10m
昨日までに編み上がった分を朝の三宅島の空へ
そらあみ体験講座の風景
地元ベテラン網漁師のクニさんは教授です
家族で参加してくれました
ヒコサカのばあちゃんも真剣です。いつも美味しいご飯の差し入れありがとうございます!
みんなで阿古漁港の中桟橋へ移動して記念写真
風に吹かれて気持良さそうにしています