太宰府入りし、初心に返る

4月1日に太宰府入りしてから、お宮と参道のお店と6つの自治会(三条・連歌屋・馬場・大町・新町・五条)会長への挨拶、荷物の運搬や材料の買い出しなど、“くすかき”の準備を進めてきた。会う人たちから「久しぶりだね。今年も“くすかき”やるんだね」とか「くすかき、、、。ああ!あれね。もうそんな季節か」といった声があがり、徐々に地域に「くすかき」が浸透してきている実感がある。

 

“くすかき”は今年で4年目。自分の中の今年のテーマは“初心に返る”である。そう思った大きな理由は、“くすかき”に関わる太宰府の友人達から“くすかきとは何なのか?”“今後くすかきをどうしていきたいのか?”“そもそもアートプロジェクトとは何なのか”といった声があがったからである。

 

自分が太宰府入りする前に、みんなが集まって、くすかきについて、アートプロジェクトについて、五十嵐について、話をしてくれたのだ。もちろん厳しい意見もあったが、そこには“くすかき”と作家である自分に対する深い愛情も感じた。これはすごいことだと思う。この状況自体が、既に“くすかき”がアートプロジェクトとして太宰府で機能していると言っても良いのではないだろうか。

 

一年の中で樟の葉が落ちる時にだけ太宰府入りし、それ以外の時間に自分は太宰府にいない。くすかきに関わる樟も人もその間も太宰府にいる。当然そこには気持や考え方にズレが生じる。今年は対話を通してそのズレと向き合っていこうと思う。

 

自分が考えるアートプロジェクトとは“土地とそこに生きる人との対話を通して、未来に向けてのアクションを共に起こし、その土地ならではの風景を立ち上げていくこと”なのだと、今回、太宰府で再確認させてもらった。

 

“くすかき”は年に一度の樟と人との再会の場として季節の風物詩となるよう継続していきたいプロジェクトである。そこで、参加者と話をして、情報や想いを共有し、また「くすかき」を整理しながら、共に未来につないでいくために、定例会(直会)を行っていくことにした。

 

そして、今の自分とプロジェクトの身の丈に合った無理のない形で継続していけるバランスを大事にしていこうと思う。話し合うべきことはたくさんあるが、ひとつずつ焦らずやっていこうと思う。

 

明後日からいよいよ今年のくすかきがはじまる。今年はどんな“くすかき”になるのか楽しみである。

もうこんなに落ちて来ています

新芽もだいぶ目立ってきています