ブラジル5日目。今日は携帯電話と鍋を買いに行った。携帯電話はレシフェの滞在先から徒歩10分ほどのデパートへ、ブラジルには携帯会社がVivo・Claro・TIMなどいくつかあり、自分はOiという会社と契約することにした。といっても、犯罪防止のためなのだろう、契約には現地滞在者の証明(納税証明)が必要なので、現地の人の協力が必要となる。
ガラスケースに並んだ携帯電話の1番安いのを購入。SIMカードも付いて100レアル(約5000円)だった。通話とショートメールとラジオと懐中電灯の機能が付いている。十分である。そして登録手続きが終わると、こんどは加金をしに町中にあるキオスクもしくはバンカと呼ばれる売店へ行き、契約した携帯会社のプリペイドカードを購入し、電話番号を伝え、その場で加金をすると通話ができるようになる。入金分を通話し終えると使えなくなるので、たまに加金する。自分は20レアル(約1000円)ほど入れたが、自分が滞在する1ヶ月間くらいならこれで余裕だそうだ。これでブラジルでの連絡手段ができた。
次に鍋を買いに行った。鍋は漁網の糸を染めるのに使う。携帯電話を買ったデパートのすぐ近くに日本で言う東急ハンズ的とドンキホーテが合体したようなお店があるので、そこで購入。品揃えが異常なほど多く、2m×2mくらいの壁が全部似たようなサイズの色違いのペンチが並んでいて、いったい何の意味があるのだろう?と思えるような状況の品揃えの店。鍋もすぐに見つかった。大量生産で作っているはずなのだが、よく見ると鍋の深さや形が1つ1つ違う。良く言えば一品もの。悪く言えば形が不揃いといった感じである。できるだけ大きくて丸い鍋を選んだ。
1番驚いたのは、上りと下りのエスカレーターの手すりの間に出来るガラス張りの隙間に何かが大量に詰まっており、1階と2階の間には筆箱、2階と3階の間には造花がぎっしりとあるではないか。これが何かと言うと、そのスペースも商品棚として扱っているのだ。エスカレーターで移動しながらなので、まるで逆回転寿し状態の中、選ばなければならない。ましてや、下の方には手が届かない。買いたい人は1番上の層にあるものを瞬間的に選ぶしかない。衝撃の販売方法である。
さらに買い物事情の話をすると、実は昨日、滞在先の近くのスーパーマーケットにも行ってみて数日分の食材を買ってみたのだが、何に1番驚いたかというと、レジの待ち時間である。全く進まないのだ。簡単に言うと、レジの人がとにかくやる気がない。あくびをしたり、お話したり、とにかくマイペース。しかもシステムも謎で、日本ではお金を払ったら自分で商品を持って別の棚に移動し袋に詰めるが、こっちではなぜかレジの人が全ての商品を袋に詰めてくれる。しかもその間、客はその姿を眺めている。そりゃ時間がかかるよ。普段からそうなのだろう。並んでいる人も皆どこか諦めて、待ち時間を過ごしている。
道路を走るバスは恐ろしいほど速いスピードなのに、レジは恐ろしいほどに遅い。全ては運転手やレジ打ちの人のリズム次第。そこから分かることは、皆自分のペースを大切に生きているということなのかもしれない。日本の様々な物事が効率的なのも、誰かがその分努力し、時に犠牲となり成立しているのだと感じた。こっちに来ると、日本人も、もう少し自分のリズムを大切に生きてもいいのではないかと思う。サービスも行き過ぎると、肉体的にも精神的にも自己犠牲につながる。
近くのスーパーマーケットの外観
永遠を感じるレジ待ち
携帯電話を購入
一期一会で筆箱を選ぶ
この造花はディスプレイではなく販売してるのです
鍋、鍋、鍋