Cerrito Azulのみんなに美術館にきてもらう/Centro Cultural de Bellas Artes展示設営6日目 

Centro Cultural de Bellas Artes展示設営6日目。今日はCerrito Azulのみんなに美術館に来てもらい、糸紡ぎと糸巻きのアクティビティを行った。設営中という展覧会の会期前に来てもらったのは、場所に慣れてもらいたかったからである。

 

自閉症の人は新しい場所に行くことが得意ではない。しかし、彼らとアクティビティを共にすることが最もTURNの気づきに近づく方法である。なので展覧会が始まったら、何度かCerrito Azulのみんなに美術館に足を運んでもらい、来場者と一緒にアクティビティをする機会をつくってもらいたいと考えており、少しでも場所に慣れてもらいたかったのだ。

 

結果としては、いろいろあった。もちろん初めての場所だったからみんな少し最初は落ち着かない様子だった。それでも糸紡ぎや糸巻きといった、これまでCerrito Azulでやってきたアクティビティがはじまると、少し空気感が変わり、いつもの落ち着いた雰囲気となった。

 

しかし、いつも落ち着いているマルセロが大きな声を出すという瞬間があった。今日はマルセロのご両親も一緒だったから嬉しかったのか、美術館という新しい場所がそうさせたのか、本当の気持ちはマルセロ本人にしか分からない。

 

そして、これはなんだか不思議なことだが、仮設置しているプシュカや糸玉から垂直に伸びる無数の糸が、なんだか嬉しそうに見えた。まるで、彼らの存在を感じて振動しているかのようだった。糸はそういった微細な変化を拾う特徴を持った素材なのかもしれない。

 

こうして、別の場所でみんなと会うのは初めてだった。何より再会できたことが素直に嬉しかった。

 

 

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Cerrito Azulのみんなが美術館に登場。最近は設営のため会っていなかったので久々の再会を共に喜んだ。

 

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まず最初は設営中の展示を見てもらった。みんなで巻いたたくさんの糸玉。見慣れているはずだが、緊張しているのだろうか、みんな数人で固まって行動していた。

 

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アルパカの原毛を糸紡ぎするアクティビティ。

 

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天井が高い空間が面白かったのか、ガブリエルは小さくちぎったアルパカの原毛を「ふぅ〜」っと吹いて空に浮かべて遊んでいた。場所の力が、ガブリエルの遊び心を良い感じにくすぐったのか。これは初めて見たが、見ていて気持ちの良いものだった。

 

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レナトはいつも通りに時々アルパカの毛の匂いを嗅ぎ、頬にあてていた。マルセロは今日も上手に糸を紡いだ。

 

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アルパカという素材に触れ、少しずつ雰囲気が落ち着いていった。

 

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最後はみんなで糸巻き。もちろんこれにはみんな慣れている。

 

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綛糸から、みんなの手を介してぐるりとまわって糸玉へ。

 

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手の中を糸が動いていく。

 

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美術館で輪になってのアクティビティ。

 

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最後はみんなで集合写真。

 

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美術館とCerrito Azulのみんな。