くすかき六日目。葉っぱのいろんな色。

くすかき六日目。朝のくすかきには大人19名、子供19名の合計38名が集った。今朝も暖かく、たくさんの落葉があった。このまま暖かい春のまま季節が過ぎていくのだろうか?

 

今日は日中、山かげ亭(会期中の滞在先)で芳樟袋制作を行った。

 

芳樟袋とは、(以下、くすかき正式発表)

 

くすかきで集めた1年間の記憶を宿す樟の葉を布で包んだ匂い袋。古くは平安時代から芳香・防虫剤として使われてきました。時間が経っても手で袋を揉むと再び香りが立ち上ります。

 

というもの。太宰府天満宮の案内所や宝物殿で販売したり、くすかき奉加帳という一口2,000円の寄付制度に参加してくださった方へのお礼の品としてお渡しすることで、プロジェクトの活動資金とし、自立した運営を目指している。

 

芳樟袋1つには20枚の樟葉が入っている。適したサイズの葉っぱを一枚一枚選んで入れる。一枚一枚に注目してみると、大きさ、形、色、模様にけっこうな違いがあり、見ていて楽しい。

 

樹齢1500年と言われる境内最年長の大樟(おおくす)の葉は大きくて丸い形をしている。本殿裏手の2本寄り添うように生える夫婦樟(めおとぐす)の葉は細長い。天満宮幼稚園の前の樟の葉は毎年、真っ赤な葉っぱを落とす。といったように、落ち葉を9年間追いかけていると違いが見えてくる。樟は一本一本に個体差があるようなのだ。日当たりの関係もあるのだろうが、落葉のタイミングも微妙に違う。まるで性格すらも違うかのようである。

 

今の時代、情報に代表されるように、何事も早いことが良いこととされる世の中だが、新幹線と徒歩で移動中に見えるものが違うように、早いということは多くのものを見落としているということでもある。

 

ゆっくりと向き合うことで見えてくるものがある。人も樟も同じである。

 

たくさんの情報や物質に溢れる時代だからこそ、それらから自由になり、ほんとうの豊かさを感じて今という時代を生きるためには、物言わぬもの、目には見えないものを感じる力、そういった想像力がこれからさらに必要となるのだろう。

 

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朝6時すぎの風景。樟葉の絨毯。

 

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境内には約100本の樟の木がある。くすかきではこの3本と主に向き合っている。

 

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しゃかしゃか(篩のこと。くすかきでの呼び名)の下に白く見えるのは新芽を包んでいた皮。

 

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協力して枝取りをしています。

 

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枝がたくさん落ち始めました。樟は、葉っぱ→枝→花→実の順でいろんなものを落とします。枝が落ち始めると季節が進んでいる証。

 

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広い天神広場もくすかきしました。

 

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芳樟袋に入れる葉っぱ集めをみんなでしました。面白い葉っぱがあると見せにきてくれます。半分緑で半分赤の葉っぱ。

 

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縁が緑で、中が赤い葉っぱ。

 

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斑模様の葉っぱ。

 

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赤地に緑斑点の葉っぱ。

 

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きれいな色と形です。

 

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葉っぱの山。搔き山も毎日色味が変わります。ここ数日で赤みを帯びてきました。

 

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樟若葉と春の青空。

 

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山かげ亭にて芳樟袋制作。葉っぱを20枚選んで並べます。

 

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20枚の葉っぱを袋に詰めていきます。

 

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芳樟袋の口を刺繍糸を巻いて閉じます。

 

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くすかきのこよりタグをつけて完成です。